「うぅっ... 」
最悪な目覚め。あまりにもリアリティが有りすぎる夢。
外に目をやると細かい雨。夢に酷似した景色。不安が急に襲いかかる。
「電話して... いや、この時間はないな。」
午前4時。こんな時間にかけたらあ~ちゃんなら絶対不機嫌になる。
怒られんのもイヤだけど。怖い。ホントに夢なの?確かめたいよ。
不安に流されそうで、怖くて、毛布の端をぎゅっと強く握った。
でも、もし本当にあ~ちゃんを失ったら?自分の心は壊れない?
あまりにも大きな存在すぎて、想像がつかない。
色々考えてたらなんとなく部屋の隅に置いてあったアルバムに手が伸びた。
Perfume結成直後の写真。この頃有香ちゃんとまだ上手に話ができなかった。
あ~ちゃんの家に皆で合宿しに行った記憶が鮮明に蘇ってくる。
会話が弾まない私と有香ちゃん。あ~ちゃんはお風呂に入る時に私たちに
ケータイを預けて、
「暗証番号解いてみんさい。」とだけ言ってお風呂に行ってしまった。
結果的に私たちは全く話さなかったし、暗証番号も解けずじまいだったけど。
ページをめくる手が止まらなくなってくる。
上京したばっかりの頃の写真。
3人いつも一緒だった。環境の変化になかなかついて行けず、精神的に不安定
になりがちだった。そんな時もあ~ちゃんは絶対に弱音を吐かなかったし、
笑顔が絶えることはなかった。私たちの前でさえも。
だけど写真に写る顔は無理してる感じがありありと伝わって来る笑顔。
最初のアルバムが出た時の写真。
みんな漠然と解散という不安を抱えてて、重い空気になることもよくあった。
それでもあ~ちゃんは笑顔だった。私も有香ちゃんも口には出さなかったけど
あ~ちゃんの存在がPerfumeを引っ張っていることはみんな気づいてた。
私たちはあ~ちゃんを頼りすぎていた。
一番最近の写真。3人とも満面の笑顔。
やっと「売れてる」と言えるような状況になった。
8年が報われた。あ~ちゃんが安心しきった表情で笑ってる。
「あ...これだ。」
私が本当に見たかったあ~ちゃんの表情。
大好きな人の最高の笑顔が近くで見られるならそれ以上は無いよね?
でもやっと見せてくれたこの表情が見れなくなることが余計に怖くなった。
どうすればもっと笑ってくれる?
答えはきっと、過去の中。
私たちに頼ってくれなかったあ~ちゃん。いつもどこか無理してた。心の底から笑って。
今度からは私があ~ちゃんに頼らないようにしないといけんね。
「いつまでもヘタレじゃおられんね....。」
気がつけばもう8時。電話しても怒られないよね?
電話帳の一番最初。あ~ちゃんのケータイに掛ける。
長い空白の後に、ベルが鳴り始めた。
1回、2回、3回... 待っても待っても出ない。
全身に刺すような冷たい汗を感じる。
出てよ.... 早く出て.......
「留守番電話サービスに接続します。」
感情なんて微塵も含まれない声。私の中で考えてた一番最悪なパターン。
不安が募りに募って涙に変わった。
その時握りしめたケータイからプチッという変な音がした。
「ふぇ?」
慌ててケータイを耳に当てる。
「ふぁい。のっち?何したん?てゆうか早いよ。まだ寝とったんよ?」
「あっ...と ごめんね。起こしちゃって。今日3人で遊ばん?
有香ちゃんも誘って。」
「おっ!オッケーよ。じゃあ10時にのっちん家いくけぇ。後でね!」
ブチっ!!......
切られた.....。寝ぼけてたけど後で怒られるな。
しかし.....
「安心したぁ~。。」
後は有言実行するだけ。
絶っっ対に無理させんけぇ。
だから....
心の底から笑って。
最終更新:2008年10月10日 16:03