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〔N〕

人を泊めるってのは初めての経験だ。
ベッドの上に二人、横になって最高な快楽の余韻に浸ってるうちに、
今日はずっと一緒にいたい
ってゆう感情が初めて生まれた。
『・・・今日、泊まってく??』
『へっ??!!いいの!!?』
驚いた表情の彼女。
そりゃそうだ。いつもは早く帰れオーラを出しまくっていたんだから。
『いいも悪いも、、もう帰る気ないっしょ??』
『・・・でも、のっちが嫌かなぁって・・』
私の顔色を伺う。
今までひどいことしてた。不安しか与えなかった。
それなのにそばにいてくれた彼女に私はこれから出来る限りの愛情を注ごうと決めていた。
『てか、帰ってほしくない・・・みたい、な??』
彼女は嬉しそうに笑って私の胸に顔をすり寄せて、照れた声で笑いながら、
『んん、もうっ、だぁいすき・・・』
可愛い以上の言葉があればいいのに・・・。
『のっちもゆかのこと好き??』
『うん、好きだよ??』
『本当の本当に??』
『うん、本当の本当にww』
『一番??一番好き??』
『一番はゆかちゃんで、それ以外はなし!です!ww』
『なんよそれ〜ww』
微笑ましい会話が続く。
ゆかちゃんは心配性だ。
というより、私がそうさせたんだね。
『今まで、さ??すげぇいっぱい不安にさせた、じゃん??』
無言で頷く彼女。
顔は悲しそうだ。
『だからさ、そんなすぐ無理かもだけど・・信用して??ね??』
精一杯優しく言った。
彼女は笑ってくれた。
『本当に今までごめ・・・


言ってる途中、彼女の唇にふさがれた。
『も、わかった。ゆかものっちのこと、ちゃんと信用する、、から・・・』
『ん??から??なに??』
『・・・・・怒らない??』
なんだ?怒るようなことされたっけ?
『えっ!!??う、うん。怒らないよ??』
彼女の中の一番の不安要素。多分私もちょっとは気付いてた。


『本当にあ〜ちゃんとは、なんもない??』


〔K〕




『なぁんもないよ〜ww』
のっちは笑って答えた。
嘘じゃなさそう。
だけど、そうじゃない。
のっちの言ってるのは、
体の関係はない
でしょ??
そうじゃないの。
『エッチしたか聞いてるんじゃないんよ??』
『ふぇっ!!??じゃ、じゃ、あ、なに??』
驚いてるのっち。
自覚症状ないの??
『あ〜ちゃんにはさ、、
のっち、優しいじゃん・・』
(あ、嫌われる??めんどくさがらないで・・・)

『・・・・ん〜・・そう??』
あ、やっぱ自覚症状ないんだ。
『気付いて、ない、んだ??』
『・・・・・うん』
八の字眉でこっちを見てくる。情けなくて可愛い。
『あ〜ちゃんのこと、どお思うの??』
聞きたくないけど、はっきりさせたい確信部分。
『・・・てかさ、そんなあ〜ちゃんあ〜ちゃんって何で??あ〜ちゃんとは本当になんもないし、優しいな、とか可愛いな、とか思うくらいで、なぁんもないよ??本当に・・』
のっちは嘘はついてない。
あ〜ちゃんには色気を求めてないんだ。
『可愛いとか思うんだぁ・・ふ〜ん・・そっかぁ・・・』
上目遣いでいじけてみせる。面白いように慌てるのっち。
『あ、ああ、ち、ちがくてっ!!その、なんての??あ〜いや、別に思っとらん、よ??』
必死で弁解するのっちに愛しさがこみあげる。
『ゆかちゃんに思う可愛いとは全然ちがうよ、別物。ドキドキすんのは、ゆかちゃんだけ!!だよ??』
あ、たまにこうやってド天然でゆかを喜ばせる。
のっちの優しくて大きい瞳で見つめられると心に鎖がまかれたみたいに苦しくなる。途端に涙が出る。
『ゆかなんて・・・好きすぎて苦しぃんだから・・ね・・』
(我慢してたのに・・言っちゃった・・)

『全部のっちが受けとめるから・・・苦しいのも全部、のっちが変わってあげるよ』
『・・・』
『のっちの愛で苦しくさせたげるww』
わざと冗談みたいにふざけて言うのっちは優しい。
『もうゆかちゃんだけでいい。他はなぁんもいらん。だからゆかちゃんものっちのことだけ見とってよ・・・だから・・・もう、苦しくない??でしょ??』

鳥かごの中に入れたつもりが、実は入れられてたのはゆかだったのかもしれないね・・。のっちはいつだって私を喜ばせる。キスでもセックスでも。でも今一番ほしかったのは言葉。
言葉で伝えてほしかったんよ。やっと聞けたのっちの言葉。やっぱり私を喜ばせた。
あ〜ちゃん、、本当にとらないで・・・。
もう本当に、
“ゆかの”
だから。



〔A〕




『やっぱりあ〜ちゃんちょっと話たいことある・・。のっち暇なとき聞いてくれん??』
家に帰ってのっちにもメールを送った。
のっちは私には優しいから、絶対に会ってくれる。
確信がある。
多分今はきっとゆかちゃんといるんでしょ??
だけど、それでもいいよ??
あ〜ちゃんとも会ってくれたら、それでいい。
あ〜ちゃんのこと考えてくれれば、それでいい。
今は、それでいい。
私はゆかちゃんと違う。
一気に体ごとささげて、のっちを縛るようなことはしたくない。
少しずつ、少しずつでいいから、のっちが私を見てくれればいい。
そのほうが、いい。
そのほうが、絶対に絆が強いから。
私はじわじわとのっちの心に入り込んで、絶対に振り向かせてみせる。
のっちは優しいから、絶対に私とも会ってくれる。
ゆかちゃんとのことバレてないって思ってるんだから、むしろ会わなくちゃおかしいって思われるよ??
だから、のっちは私に変わらず優しくしてくれる、でしょ??
私はその優しさに甘えていたい。そしてそれをのっちにも返してあげたい。
のっちにたくさん優しさをあげたい。
そしたら、のっちは気付くでしょ??
誰のそばにいるべきか・・・って。



〔K〕




私はまるでドラマみたいな状況に疑いを感じた。
だけど目の前ののっちは、不器用だけど、ちゃんと気持ちを伝えてくれた。
だから私も信用するって決めた。
『ゆかちゃん心配性なんだねぇww』
笑いながら頭を撫でてくれる。
『あっ、のっちのせいか??ww』
笑って髪を優しく触ってくれる。
私はのっちに抱きついたまま優しさに甘えていた。


———シャンシャンシャン——


遠くでのっちの携帯が短く鳴った。
のっそりと顔をあげて携帯を探す。


『やぁ・・・』
私の体から離れようとしたのっちの腕をつかんだ。
『ん??携帯とってくるだけだよ??』
わかってるけど嫌なんだもん。
『でも・・・やぁ・・』



八の字眉でちょっと困った顔された。
『あ、ご、ごめん・・・』
すぐに掴んだ手を離して体も離した。
次の瞬間、、

のっちはギュッて抱き締めてくれた。それは本当にギュッって音が鳴るくらいに。
『ちょっと待ってて、ね??』
言い終わるとすぐに腕を離してベッドから抜け出し、携帯をとりにいって、
またすぐ戻ってきた。
そしてまたギュッて音が鳴るほどに抱き締めてくれた。
『いい子で待ってた??』
優しく笑って顔を覗きこむ。
『う、うん・・・』
静かに頷く。
『じゃ、ご褒美っww』
そういって小さくキスをしてくれた。
それだけで嬉しくて顔が赤くなる。見られたくないからのっちに抱きついた。
頭の上からカチカチと携帯をいじる音だけが聞こえた。
のっちは私の頭を自分の胸に押さえ付けるみたいに抱き締めた。
『のっちぃ・・・くるし・・・』
『あ、あぁごめんww』
携帯をベッドの下に投げて笑ってる。
(あ〜ちゃんから・・かな??)
知らない間に不安な顔してたゆかに、
『なぁぁんもない!!』
優しい笑顔をくれた。
私はしがみついた。
のっち以外見たくなかったし、のっち以外の人に悩まされるのも嫌だった。
しがみついた先にのっちの白い首筋が見えた。



〔A〕




『いいよ〜。』
わりとすぐ返ってきた返事。絵文字もなんもなくて、のっちらしいといえば、のっちらしい。
多分文章が素っ気ないくらいに短いのはゆかちゃんと一緒にいるからでしょ??
だけど、一緒にいるのに返事をくれたことのが重要。
素っ気ない短いメール
ってことは、
気付かれないようにした ってこと。
でしょ??
私は自分の推理能力に卑屈になったけど、そんなことも言ってられない。
もう戦いは始まっていて、私は今のところかなり遅れをとっている。
だけどまだ負けたわけじゃない。




〔N〕


ゆかちゃんと抱き合いふざけあいながら幸せの余韻に浸ってると急に携帯が鳴った。まぁ携帯ってのは急に鳴りだすものだけど。
何故か気になったから取りに行った。
ゆかちゃんが不安な顔で見てるから大丈夫だよ??って顔をしたつもり。
すぐ戻ってゆかちゃんを抱き締め、携帯を見る。メールだ。
(あ、あ〜ちゃんだ・・・。)
やっぱりあ〜ちゃん何かあったんだ。心配になったけど、ゆかちゃんの心配性に拍車がかかるから、言わないでおいた。
それにあ〜ちゃんに対して恋愛感情ってゆうものはないと思っているから。
あ〜ちゃんものっちにそんな感情があるとは思えないもん。


『いいよ〜。』
とだけ返して私は電源を切った。


〔K〕




『・・・ねぇ、ここ・・・ちゅぅして、い??』
目の前に見えた白い首筋を爪でつつく。
『ん〜??』
のっちは間抜けな返事をした。
『・・・・・だめ??』
チラッと目線だけでのっちを見る。
『ん??あぁ、いいよ〜んww』
ニカッて笑って答える。
(あ、多分意味わかってないな・・・。ま、いっか?)


のっちは誰にも縛られなかったし、誰にも縛ることが出来なかった。
むしろ誰も縛ろうなんて大それたことは出来なかった。だってそんなことしたら絶対にいなくなっちゃうから。
だけどゆかは今目の前にある白い首筋を見て、無性に跡をつけたかった。
だからのっちが意味を理解してないのをいいことに、おもいっきり吸いついた。

『んっ!?ゆかちゃん??ちょ、強すぎっ!!ww』
何されてるかもわかってないみたいに笑ってる。
肯定もしないけど、拒否もみられない。
・・・っぷはぁ・・・
『にひっ!!つ〜けたっww』わざとおどけて明るく言った。
首筋に残るきれいな赤。
『へっ!?なん??』
『・・・ちゅうの跡・・・・・つけちゃったw』
『ふぇっ??ま、まじ!?』
やっぱ嫌がられる??
あれ??でもなんかにやけてる??
『あはっwwのっち初めて!!』
笑いながら言う。
嫌じゃなかったの??
『あ、自分では見れんのか・・・へへっなんか楽しいね??ww』
『嫌じゃなかったん・・??』
『えっ??なんで??』

なんでって、、
そんなん嫌がるとしか思えないじゃん・・・。
『ゆかちゃんになら何されても嬉しいよ??ww』
あ、出た、ド天然決めゼリフ。
『・・・のっち、そうゆん重くて、、てか縛られてるみたいでヤダかなぁ・・って・・』
わかってるのにやっちゃったゆかって・・・。
『ん〜まぁそうだったけど・・・』

あ、やっぱり・・・。
ヤダったんだ・・。
しなきゃよかった・・・。




『・・でも、今は違うじゃん??』
————へっ???!




『恋人になら縛られてもいいかなぁ〜ってwwあ、てかゆかちゃんにならww』
アハハッて照れくさそうに笑いながらゆかを喜ばせる。
—恋人—
かぁ。。
すっごい嬉しい。
もう嬉しすぎて頭は働かないし、言葉も出ない。

『それに・・・』
のっちは私の頭に手を置いて優しく撫でながら、
真っすぐな瞳で、
優しい顔で、



『これでゆかちゃんが不安にならんのなら・・もっとしたっていいんだよ??』



あ、何か外れた。
私は無言で首筋に
“きれいな赤”
を落とした。
何度も何度も。
何度も何度も何度も。








最終更新:2009年03月30日 19:40