数日後。
あたしはいつものように家庭教師として、彼女の家に足を踏み入れていた。
「で、ここがこうなるけぇ……ん?こっちの問題は解けたん?」
「えっ?ゆか、この問題まだ解いてないよ?」
「ゆかちゃんが知らん間に解いてたんじゃない?」
「ちょっ!これどう見てものっちの字じゃろ!」
「知らん知らん。この家、妖精さんがおるんじゃない?」
「のっち、あんたねぇ〜」
「はいはい、二人とも手動かしてー」
今日はのっち付きで。
二人は時々あーだこーだと言い合っては、夏休みの宿題と向かい合う。
そして、時々照れ臭そうに微笑み合う。
…ああ、何も知らないのっちがゆかちゃんの隣にいる。
あたしの胸の奥のゆらゆらは相変わらず止まる気配はなく、更に速度は増すばかり。
「あー、のっち限界!休憩しよ、休憩」
「ゆかもー」
「そうじゃね。無理に詰めてやっても頭に入らんし」
のっちとゆかちゃん、二人して畳に寝転ぶ。
時計を確認すれば、確かにもうすぐ三時だ。
ゆかちゃんがごろり、とのっちの方を向く。
「アィス食べたぃー」
「……買ってくるけぇ待っとって!」
「えっ!?のっち、…行っちゃった…」
冗談だったのに、とゆかちゃんは笑った。
よいしょ、と体を起こして、後ろ手をついたままパタパタと足を動かしている。
「……」
「…のっち、気付いとらんよね…?」
「大丈夫じゃろ…少なくとも今は、いつも通りだし」
…だめだ。
彼女に触れたい。
今すぐ、あの細い体を抱きしめたい。
ゆらゆらとした何かは激しい力になって、あたしの衝動を動かす。
「ひゃ!」
「あつい、ね…ゆかちゃん」
「や…なに、」
ショートパンツから覗く腿に手を這わす。
「のっちが帰ってくるまで…ね」
あの頃みたい純粋に、ただ彼女を好きだっただけの気持ちはもう、残っていない。
あるのは、あたしの狂ったエゴだけ。
彼女を蝕むだけの、愛だけとは違う、あまりにも救われない感情だけ。
「ま、って…のっちが」
「うん。じゃけぇ、帰ってくるまでね」
柔らかい腿をそっと撫でた。
「…っふ、ん」
舌が唇に触れてなぞる。
僅かに開かれた唇に入り込んで絡む舌。甘い、としか感じない。
「んぁ…」
「はぁ…」
だんだん赤みがさす頬。
蕩けていく瞳。
じんわりと浮かぶ汗すら、一層彼女を引き立てる要素になって。
「ぁ、あ…っ、ゃ」
「ここ、気持ちいって言ってたね…」
「はっ、はぁっ、やぁあ…っ」
縋る掌もひたすらあたしを煽っていくばかり。
…止まらない。
もっと欲しい。
「ふぁ、ぁ…はっ」
ショーツの上から、的確に紅く膨らんだ突起ばかり攻める。
じわりと滲む蜜が、指先の向こうで彼女に快感を与えているのだろうと想像して、背中に何かが走っていくのを感じた。
「…めっ…だ…ぇぇ…っ」
「なに?聞こえんよ」
興奮は更に増して、しかし指先は本能のままに動いていく。
ショーツに篭った甘い水音がぬちゅ、ぷちゅ、と響く。
それは頭の中をぼんやりと霞ませる。
もっと、もっと。
まだ、足りない。
指先だけ隙間から潜り込ませて、突起を何度も弄り倒す。
「ひっ、ぁ、あっ、ぁーっ!」
「やらし…ね」
ちゅう、とこめかみに唇を落とす。
厭らしく鳴くゆかちゃんが愛おしい。
「ゃぁあ、だめっ、だ、めぇぇ…っ!」
びくん、と彼女の細い体が跳ね、ふるふると小刻みに震えて力が抜けた。
「はっ…はぁ…っ」
ひくひくと震えるその場所から指を離す。
…もうすぐ、あの子が帰ってくる。
あたしは彼女のうっすら桃色に染まった腿と青い畳の
コントラストを、興奮で霞んだ目を細めて見つめた。
…狂ったあたしは、もう戻れないんだ。
ごめんね、のっち。
最終更新:2009年03月30日 19:42