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少し情けない話だけど、あの後やっぱり、家まで送るよ?とは言えず…
去っていくゆかちゃんの背中を見送るしか出来なかった。


◇◆◇◆◇◆◇◆
キーンコーンカーンコーン


眠くて虚ろな意識の中で自分は、これから学際の練習だった、と思い出した。



早々と出て行くクラスメイトを見送り、誰も居なくなった教室で一人背伸び。

「ん〜…」


さて、今日も頑張ろ。


ガラガラ
「大本さん、練習だよ?」
「うん」
練習で遅くなれば、またゆかちゃんと帰れるかな。


◇◆◇◆◇◆◇

「大本さんこれ着てみて?」

練習後、渡されたのは衣装みたい。

そう言えば、衣装合わせするって言ってたような。
特に気にもせず、更衣室で着替え…




って、なんだこれ!
かぼちゃパンツかよ!

ちょっと可愛いけど…

「キャー!似合う!」

たちまちクラスメイト(女子)に囲まれて…


スーツに
タキシードに
あれ?何これ?
執事服?
懐かしい…ってなんでやぁ!!
てか、着物はいらなくね?


これも、あれも、と半分コスプレ大会みたい。


んで、結局かぼちゃパンツ…


「ロミオはやっぱりこれかなぁ?」

んー…と衣装部の子が思案中…


ガラガラ
「失礼します。のっち居ます、、か…?」


「あ〜ちゃん…」

タイミング悪く、あ〜ちゃん登場。

「ブッwwwなんじゃそれwww」

あ〜ちゃんはかぼちゃパンツで王子様スタイルの私を見て大爆笑。

「そんなに笑わんでよ〜」
「いやーww似合っとる似合っとるww」
「ロミオってもっと、、、こう、、ラフなんじゃないの?」
「良いセンスしてるわwwGJ、GJw」
あ〜ちゃんは衣装部の子に親指を立てた。

「もうー…。んで、何しに来たん」
「あっ、そうそう、今日もう終わる?」
「あー…」
チラッと、委員長に目を向ける
「まぁ、練習は終わってるし…」
「だって」
「じゃ、あ〜ちゃんの教室で待ってるけぇ、一緒に帰ろ」
「うん、わかった」


笑われたのは恥ずかしかったけど、あ〜ちゃんのおかげでコスプレ大会から抜け出せた。



制服に着替えて、あ〜ちゃんの待つ教室に向かう。

廊下はオレンジ色に染まっていて、遠くで吹奏楽部の音がする。


あー…青春って感じ。



「あ〜ちゃん…って、あれ?」

教室にはあ〜ちゃんしか居なかった。
てっきり、ゆかちゃんも一緒かと…
「残念ながらゆかちゃん、今日は用事があるってさ」

さすが、超能力者あ〜ちゃん。のっちの考えなんてお見通しなんだね。

「いやいや、思ってないよ?」
ちょっと悔しいから誤魔化してみる。
「あれ?じゃあ、あ〜ちゃんだけで良いですか〜?」
ちょっと、ふてくされたように言う。
たぶんあ〜ちゃんはわかってる。
けど、そのささやかな嘘に付き合ってくれる。
「当たり前じゃんw友達でしょ?」
「え?友達だっけ?」
「えぇー!」
「あはははwウソだよ」
「ちょっと〜w」



あの日、
私のゆかちゃんに対する想いを知っていて、それでもいつも通りだったのは、あ〜ちゃんの優しさだったんだ。







最終更新:2009年03月30日 19:48