いつもの踏切
いつもの時間
ゆかちゃんはいなかった。
寂しかったけど、、、
まぁ、ゆかちゃんにも事情があるのだろうし…
「のっち、おはよう」
「あっ、ゆかちゃん」
移動教室で理科室に行く途中。
「…と、あ〜ちゃん」
今日初めてゆかちゃんとあ〜ちゃんに会った。
「ついでかい」
バシッと頭を叩かれた。「いったぁ〜…あ〜ちゃん酷いよ〜」
「のっちの方が酷いじゃろ。ねぇ?ゆかちゃん」
「うん、のっちの方が酷いね」
「んな!ゆかちゃんまで!のっちは悪く無いでしょ」
「今日一緒にお昼食べるの止めようかなぁ〜」
「ごめんなさい」
二人が一緒に食べてくれないと、のっちひとりぼっちなのです。
「のっちもいい加減友達つくりんさい」
「んー…」
「劇の練習しとったら、友達だって出来るじゃろ」
「…」
「ふふっwのっち練習終わったら直ぐ帰っちゃうんだって」
「なっ、なんでゆかちゃん知ってんの!?」
「のっちのクラスの子が言ってたよ?」
委員長さんの情報網は凄いね。
「はぁ〜…手の掛かる子じゃ」
なんて言って、あ〜ちゃんはグチャグチャとのっちの髪が乱れるように撫でた。
やめてー、とかあ〜ちゃんとじゃれながら、チラリと見たゆかちゃんのグロスリップが変わっていたのに気が付いた。
いつもは透明なのに、
今日は淡いピンク色。
でも、まぁ、、、
ゆかちゃんにも事情があるのだろうし…
お昼休み、下級生に呼び出された。
誰もいない体育館裏
「あの、学祭、、一緒に回る人いますか?」
「いや…えっと、、、」
「もし、居なかったら、一緒に回って下さい。」
顔を真っ赤にして、頭を下げる彼女に私はどう言えば良いのかなぁ…。
たぶん、あ〜ちゃんとゆかちゃんと回ると思うけど、、、
決まってるわけじゃないし…
回答に困っていたら、
「回る人いますよね。すみません。気にしないで下さい。」
彼女は足早に立ち去ってしまった。
悪い事したなとは思ったけど、正直安心した。
良かった、これで三人で回れる。
近々誘ってみよう。
早く教室に帰って、あ〜ちゃんとゆかちゃんとお昼食べたい。
ペコペコのお腹をさすりながら、校舎に入ろうと中庭に向かうと、見覚えのある姿。
ゆかちゃん、、、
と、男の子
二人は仲良くお弁当を食べていて、、、
ゆかちゃん、、、
あ〜ちゃんとのっちとお昼食べるんじゃないの?
風が私のスカートを翻しても、時間が止まってしまったかのように…。
あー…そっか、
ゆかちゃんの瞳が私をとらえたかに見えて、
とっさに着た道を引き返す。
そっか、
踏切に居なかったのは、彼と一緒に登校したからなんだ…
リップグロスが淡いピンク色に変わったのは、恋をしたからなんだ…
そっか、、、
そうなんだ、、、
大変なものを見てしまったのに、やけに冷静な自分がいて、
そいつがそっと耳元で囁いた
『はい、終了』
最終更新:2009年03月30日 20:00