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自分で言うのもなんだけど、あたしはそんなに頭の弱い方じゃない
次に何を言うべきか、大体すぐわかるし、あ~ちゃんやのっちの気持ちも大体よめる
でも、肝心な自分の気持ちが
全然解ってなかったんだと思う

最近、のっちはよく誰かとメールしてる。だけど、のっちにはのっちの友達が(少しは)いるんだろうと思ってたから特に何も言わなかった
「・・・・・・」
昼休み、またもメールしてるけどそんなに楽しそうではない
「のっちぃ~」
隣のクラスから駆けつけたあ~ちゃんは言いながら、ニヤニヤした顔で
「あ~ちゃん聞いたんよぉ~?」
「なにを?」
「へへへへへへ」
あ~ちゃんはあたしとのっちの顔を交互に見ながらニヤニヤしている
「のっちが最近ずぅっとメールしとるから、おかしいとは思っとったけん」
悪い予感が、全身を駆け巡る
「うちのクラスのイケメン君と仲良ぉなっとるんじゃろ~?」


え・・・?
思考が、止まった。瞬きさえできない。いろんな単語が出てきては消える。
何も考えられない。ただ、何となく、痛い・・・・。
ああ、あ~ちゃんが何か言ってほしそうな目であたしを見てる。何か言わなきゃ・・・何を?何を言えばいい?いつもはこんな時何を言ってた?
解らない。
何が解らないのかさえ

「・・・・・ゆかちゃん?どーかした?」
あ~ちゃんがちょっと心配そうに覗き込んでいた
「え・・?あ・・・ちょっと、気分悪いから保健室行くけぇ」
保健室?このタイミングで?さっきまで元気だったのに?何いってるんだ自分
あ~ちゃんは「着いていこうか」とかなりしつこく言ってくれたが
のっちは、何も言わなかった

それからと言うもの、あたしとのっちの間にはすっごくちっちゃなスキマができたみたいで
のっちは相変わらずメールをする。だけど、それについてはお互いふれなかった。でも、のっちがケータイを触るだけで、短いメールを打つだけで
心臓が、痛い。思考が止まる。涙が、溢れそうになる


ある日、3人で屋上でお喋りでもしようってことになって、のっちと屋上へ行った。あ~ちゃんはまだ来ていなかった、たしか先生に呼び出されたとか言ってた気がする
あたしたちは並んで座って、ジュースを飲んだ
なんだか、よく覚えてないけど、他愛も無い話をしたような記憶がある
のっちが笑うのが、ただただ嬉くてあたしはいつもよりたくさん喋った気がする
でも、不意にのっちのケータイが視界に入るたび、なんとも言えない気持ちになった。その無機質な物体をこの世から消したいとさえ思った

ピピピピピ・・・
初期設定のままの味気ないメール着信音が響く
「あ・・・・」
のっちがケータイに手を伸ばす


「ゆかちゃん?!」
のっちより先に、のっちのケータイを掴んだ。ほとんど無意識だった
「・・・・・・やめて」
「え・・・?」
気付いたら、あたしはのっちを押し倒していて
のっちの頬に水滴を見つけて、自分が泣いているのが解った
「ゆかちゃん・・・?」
「いやじゃ・・・のっち、他の人のもんにならんで・・・」
「・・・・・・・・」
「ゆかは、のっちが好きじゃ・・・そのメールの人よりも、絶対、ゆかの方が好きじゃ・・・だから・・・」

のっちが、笑った。そしてあたしの頬を両手で優しく包んだ
「あたし、ゆかちゃんのことどうにかして諦めようとしてたんよ・・・。だって、迷惑かけたくなかったけぇね。だから、たまたま声かけられた人とメールとかしてみた」
ああ、のっちが泣きそうな顔をしてる
「・・・でも、ダメじゃった。あたしは何をしてても、ゆかちゃんの事しか考えられんかった」

「ゆかちゃん、好き」
それから一呼吸置いて
「・・・・ちゅう、しよっか」
のっちが顔を真っ赤にして言った

のっち、あたしもう他に何も要らないよ


後日談としては、実はあのときのメールはあ~ちゃんからだった。しかもあたしのケータイにも同じメールが送られていて
『あ~ちゃんは空気よんで先に帰るけぇ、いい加減素直になりんさい!!』
あ~ちゃんありがとう。本当に


<おまけ>
「実はフジギに思っとたんじゃけど、のっちがメールしてたイケメン君ってどんな人?」
あたしはふと思い出して、あ~ちゃんに尋ねてみた
「ほら、あの人あの人!」
あ~ちゃんが指差す先には

「ラーメン、つけ麺、僕イケメン!!スタッフゥーーーー」

あたしは絶句した




~END~






最終更新:2008年10月10日 16:11