彼女に一目惚れした私は
迷わず生徒会に入ることに決めた。
入ってからは毎日、彼女と居れる事が幸せで仕方がなかった
彼女の事を知れば知るほど話せば話すほど好きな気持ちは増えていく
黒めがちな瞳
愛らしい声
自分を曲げないとこ
真面目なとこ
イタズラ好きなとこ
私の気持ちは止まることを知らない
そんな彼女には学校内にファンも多くて
告白されるシーンもプレゼント貰うシーンも飽きる程みることになった
その全てに笑顔で受け答えする姿に私のイライラはつもる…
全部、私の物にしてやりたかったんだ。
今思えばこの時からズルい支配欲は始まっていたのかもしれない
全てが動きだしたのは高校一年生の夏休み…
その日は、間近に迫った文化祭の準備で生徒会室に集まっていた
こうゆう時の彼女の張り切り方は尋常じゃない
普段のクールさとのギャップがまた可愛い
「みんなー絶対、学校史上最高な文化祭にすんだからね♪」
そう言って他のメンバーにてきぱきと仕事を割り振ってく
私は彼女とプログラム作りをする係のようだ
他の皆は看板や買い出しに出ていたから
生徒会室には彼女と私だけ。
内心、おっしゃぁ!って感じだったけど
ポーカーフェイスを気取って仕事にかかる。
カタカタカタカタ
部屋にはパソコンをタイプする音だけが響いている
別に会話なんか要らない…2人だけの空間。
それだけで嬉しくて仕方なかった
それに、一緒に話したり作業をする事はあっても
2人きりで何かをするのは初めてで正直何話せばいいか分からなかった
ふと向かいの席の彼女を盗み見る。
綺麗…それ以外の言葉が見つからない
キーボードを叩く細くて長い指
そこへ繋がる折れてしまいそうな腕
それがくっついてるのは小さい肩
その少し上にはYシャツの隙間から見える鎖骨
私はどんどん視線を上げて行く…
そして行き着く先は薄く紅い唇
あぁ、触れたい。
もっと近くにいきたい。
「っち…のっち!」
その声で妄想の世界から引き戻される
「どうしたのー?ボーッとしちゃって。具合悪い?」
心配そうな顔で下から覗きこまれる…そしたら必然的に彼女は上目遣いで…
「…っ。だ、大丈夫です」
一気に体温が上がるのがわかった。
「顔も赤いし…熱あるのかもよ?」
そう言う彼女の瞳はまだ斜め上の私を捕らえたまま…
「あ、あの…ちょっと…あちゅ、暑いのかもしんないです。」
噛み噛みじゃん自分…恥ずかし
「ふふ。そんなに噛まんでも…のっち可愛いー♪」
「そんな笑わないで下さいよぉ…」
「だって可愛いんだもーん」
いたずらっ子みたいに舌を出す彼女
もう、こんな事して…私の心拍数上げさせるんだから敵わないよなぁ
「ごめん、ごめん。あ!そーいえばさこの前の人とどうなった?」
「あー…断りましたよ」
この前の人ってのは、一個上の先輩
どうしたん?っていうのは、私はその人に告白されたから
自分で言うのもなんだけど割りとモテる方だからこんな事はよくある
まあ全部、断るんだけどさ…
「えぇ!何でよ?彼いい人じゃん」
「いやーなんか違うんですよね」
「そういって、もう何人を泣かせてるんだかw」
「ちょっ泣かせてるは言い過ぎですって」
「てか、なんで全部断っちゃうの?好きな人いるとか?」
気持ちがバレてるんじゃないかとドキッとした
もちろん、樫野先輩が好きなんて言えるはずもなくて言葉を濁す
「まあ。そんな感じです」
「本当に!?好きな人いるんだ?」
「全然届かない人なんですけどね…」
「そっかー…届かない人か…」
一瞬、彼女が寂しそうな顔をした気がしたけど
ずっと気になってたことを聞くために話を続ける
きっと今の流れじゃないと聞けない事だから…
「でも好きなんですよ。そーいえば前から聞きたい事あったんですけど…先輩って何で」
ガラガラ
先輩って何で彼氏できてもすぐ振っちゃうんですか
そう言う前に2人だけの空間は来訪者によって壊された
「あ!あ〜ちゃん」
入ってきたのは西脇先生だった。先生は生徒会の顧問をしている
その軽快なトークで繰り広げられる分かりやすい授業と愛らしいルックスで男女問わず人気が高い先生だ。
「こらっ樫野さん、西脇先生でしょ?」
「えーだってぇ…」
「だってじゃないの。全くうちの会長はこれだから」
「へへ。だって皆呼んでるしさ」
怒られてるのに嬉しそうに見えるのは気のせい…?
「まあ、そんな事よりプログラム作り終わった?」
「あ…私は終わった。」
「のっちは?」
「私も終わってますよ」
「お!いいね〜。じゃぁ後は先生に任せて帰ってもいいよ?もう遅いし…」
その言葉に甘えて私は帰ることにした
彼女はまだ仕事があるとかで生徒会室に残るみたい
本当は一緒に帰りたかったけどどうしても理由が見つからなくて結局1人で校門を出ることにした
はあー。
今日を振り返ると思わずため息が漏れる
大事なところで噛むし
聞きたいこと聞けないし
ダメダメじゃん私。
「あ!」
自転車の前まで来て鍵を忘れた事に気付く
多分、生徒会室に置いてきたな…
はぁ。またため息が漏れる
めんどくさ。でも…まだ先輩いるかな?
そう思ったら急に足取りが軽くなった気がして
恋って凄いなぁ。なんてバカなこと思って通って来たばっかりの道へ再び足を向かわせた
最終更新:2009年03月30日 20:37