あたしはのっちを引っ張り、無理やりあ〜ちゃんの隣に座らせる。
二人は誰が見てもおかしいって思うくらいぎこちない。
「あ〜ちゃん、はい」
「あっ、ありがとう」
あたしはあ〜ちゃんに買ってきたホットココアを手渡した。
あ〜ちゃんはそれを飲まずに、両手で持ってコロコロ回している。
「あ〜ちゃん、ごめん。勝手にのっち連れてきちゃって。のっちもごめん。無理やり引っ張ってきちゃって・・・。
今日は、どうしても二人に聞いてもらいたい話があるから・・・」
「はなし?」
あ〜ちゃんが不思議そうな顔で訊いてくる。
「うん・・・聞いてくれる?」
頷く、あ〜ちゃん。のっちは俯いたまま、手で顎を触ってる。
「のっち・・・」
あたしはのっちを呼んだ。
のっちは少し顔を上げたけど、すぐまた俯いてしまった。
「まず、最初にお礼を言うね・・・。助けてくれてありがとう」
「え?」
やっと、言葉を発してくれた。
「お母さんから聞いたの。のっちが輸血用の血を提供してくれたって・・・」
「あぁ・・・」
「今まで知らなくてごめんね」
「いや、いいよ・・・」
「あと、すごい酷い事言って引っ叩いちゃってごめん・・・あれは全部ゆかが間違ってた、のっちは全然悪くなかったのに」
のっちはいつの間にかハノ字眉になっていた。
「のっちの言う通り、自分の事ばっかりであ〜ちゃんの気持ちなんて考えてなかった」
「だから今正直に自分の気持ちを言うね・・・」
「あ〜ちゃん・・・」
「ん?」
穏やかな表情で相槌をしてくれるあ〜ちゃんに向かってあたしは言った。
「ずっと・・・好きだった」
今まで長年言えなかった告白をした。
言ったらなんだかスッキリしてしまった。
こんなことならもっと早くしてれば、大事にならなかったのかなと少し反省。
もしかしたらのっちがくれた血のおかげで、あたしも少しは優しくなれたのかな。
「あ・・・」
あ〜ちゃんは突然の告白に戸惑ってる。
「返事はせんでも、わかってるから。あ〜ちゃんが、のっちの事大好きなのは知ってるから。だからのっちの前で告白したんよ?」
「ゆかちゃん・・・ごめんね」
あ〜ちゃんは今にも泣き出しそう。隣ののっちはずっとハノ字眉。
「謝らんで・・・二人の仲をメチャクチャにした、ゆかの方が謝らんといけないのに・・・」
「かっしーがメチャクチャにしたんじゃないよ・・・のっちが二人と知り合ったから。
のっちがいなかったら、かっしーは傷つかなかったよ・・・」
「あぁ、これは・・・のっちのせいじゃないけ。ゆかが弱かっただけだよ」
まだ包帯が取れてない左腕を見ながら、のっちを慰める。
「ごめんね・・・二人がお互いに好意を持ってたのを知ってて、自分のワガママ押し付けて。
今思うと、一人になるのが嫌で振り回しちゃった気がしてた・・・」
「そんな・・・ゆかちゃんを一人になんてせんよ!!」
「そ、そうだよ!!」
二人して必死になって否定してくれてる。
そんな二人を見て、ほんとになんてバカな事をしたんだろうとつくづく思った。
「これからも一緒にいようよ・・・」
あ〜ちゃんがすごく嬉しい言葉を掛けてくれた。
のっちも隣で頷いてくれてる。
「いや・・・それは、できん」
でもあたしはその言葉を断った。
最終更新:2009年03月30日 21:07