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Side N
「ただ、その人が側に居るだけで嬉しくなったり、目が合っただけで顔が赤くなったり。
一言で苦しくなったり不安にもなるし、逆に何だってがんばれちゃったりするんよ。
生きてたら、きっと皆そういう気持ち感じる時があると思うから。おかしくなんてないんだよ?」

「私…おかしくないんですか?」

「うん!全っ然w」
そう言うと、すごく嬉しそうに笑ってくれて。
「良かったです。」

うわw可愛いw
ちょっと久しぶり、って言っても一日ぶりだけど…。
この笑顔やっぱ最高ww
抱きしめたいぃw

「彩乃様?」
「へぃい?」
ひとり心の中で悶えていたところを、あやちゃんに呼ばれ間抜けな返事をしてしまい笑われた。
「ふふw私、こんなに苦しくなったのは初めてですが。でも、ずっと…その…。」
また恥ずかしそうに、目をきょろきょろさせてる。
「ん?なに?」
「ずっと、彩乃様に、恋をしていたんだと思います。」

それは、予想外の言葉で。
「え。それマジ?」
「…たぶ、ん?」
少し自信なさそうに見上げてくるあやちゃん。

きゅん…。

キタ。まじきゅんとキタw

ずっとあやちゃんの顔に触れていた手を、肩へと移して。
「あの〜。抱きしめても良いですか?」
今、あやちゃんの顔を見て言うには、なんだか恥ずかしすぎて下を向いてしまった。

「それは、ちょっと…。」
「だ、だめ?」
やっぱまだ、緊張しちゃうもんね…。
あたしが肩を落としていると。



「あの…それは、お願いですか?」
「はへ?」
またまた間抜け面なあたし。
「彩乃様の、お願いでしたら…断れません…よ?」
顔を真っ赤にしながら、一生懸命言ってくれるあやちゃん。

お願い…しちゃって、良いんすか?
「お、お願い、します…。」
…はい。って言ってから、そっと目を閉じるあやちゃんの背中に、恐る恐る腕をまわして抱き寄せる。
やばい、何か急に緊張してきたぁ。

「彩乃様?」
「ん?」
「私も…宜しいでしょうか?彩乃様を…抱きしめても。」
もww何々?この幸せすぎる展開はぁ。

「じゃ、抱きしめてくれる?」
「それでは、失礼して…。」
おずおずとあやちゃんの手があたしの背中に回されて、なんだかくすぐったくて。
ぎゅっとされる感覚が心地よかった。

「彩乃様?」
「はい?」
今度は何?
「凄く、温かいです。あんなに苦しかったのが嘘みたいです。」
「へへwそれなら良かった。」
「ありがとぅ…ござぃ、ま…s…。」

ふっと、背中に回せれた手の力が抜けたと思ったら、カクッと膝から崩れ落ちそうになるあやちゃんを、とっさに膝を突いて抱きとめる。

「あ、あやちゃん??」
ビックリして意識を確認する。
「ぁ…申し訳ありません…。昨日寝むれなくて…。安心したら、急に眠気が…。」
「はぁ、そっか。なら良いや。」
病気とかじゃなければ。


「…ココ。ドキドキいってます。」
とろんと眠たそうなあやちゃんが、そっとあたしの胸の真ん中を触ってくる。
「ちょっと、あやちゃんw」
「あ、早くなりましたw」
眠くてぼ〜っとしてるせいか、くすくす笑って全く気にしてないみたい。

「むぅ、だから言ったでしょ?あやちゃんに恋してるってぇ。あたしも、ずっと前からしてとるんけぇね。」
「ふへwありがとぅございます。…あやの、さまぁ…。」
へにゃっと笑って、瞼が閉じられる。

すぐに可愛らしい寝息が聞こえてきた。

………。

無防備すぎる…。
あやちゃんの寝顔、無防備すぎだよぉwww。

落ち着け。落ち着くんだ彩乃!
こんなに幸せそうなあやちゃんの寝込みを襲っちゃいけんじゃろ!
この顔だけで幸せになるでしょ?

とりあえずここは深呼吸を。
すーはー、すーはー…。
ん。よし。

えっと。あやちゃんの部屋までは運べないから…。
あたしのベットかぁ。

よっと。
あやちゃんを抱き上げて、ベットへと寝かせて、あたしは一人ソファーにでも寝ようと背を向けると。

「あやのさまぁ…。」
あやちゃんの寝言に振り返る。
…今日くらい、良いよね?一緒でも。

そ〜っと布団に潜り込んで、あやちゃんの方へ近づく。
絶対、あやちゃん朝ビックリするだろうな〜。そう思うと自然と微笑ましくなる。
明日が、ちょっとだけ楽しみになった。


Side A
朝目が覚めて、なにか違和感に気付きまして…。
まず、部屋の風景が違います。
そして、この香りは彩乃様のものです。
しかも、私メイド服のままです。

なにより気になるのは…。
さっきから後ろで聞こえている寝息なのです。

私、昨日。自分のお部屋に戻った記憶がございません。
なので、もしかしたら、この寝息は…。

恐る恐る寝返りをうってみると、そこには。
あの綺麗な丸い後ろ頭は、どう見ても彩乃様のものでして…。ここはやはり彩乃様のお部屋。

……。
いやぁwwww
どど、どういたしましょう!?
ご主人様のお部屋で、しかも同じベットで寝てしまうなんて!
メイドとして失格です!
とにかく、ベットを出なければ。

そう思ったところで、彩乃様が寝返りをうたれまして、ころんとこちらを向かれて。
ちちち!近いです!
早く、離れないといけないのに、手が…手が勝手に彩乃様のキレイな長い睫毛に触れてしまい、彩乃様がぴくっと反応して起きてしまいました。

「んん…あやちゃんおはょ。」
「お、おはようございますっ。」
「ぇへ、寝起きのあやちゃん、初めてだw」
嬉しそうに頬に触れてくる彩乃様。
「なw」


本当に、お恥ずかしいです。こんなにみっともない姿を…。
私は慌ててベットから出て、時計を確認して、彩乃様が起きる時間には少し早いのに気付き。
「彩乃様。私は準備がありますので行きますが、もう少しお休みください。改めて起こしに参りますので。」
「もちろん、二度ねする気満々w」
ベットの中で、笑いながらピースをされているのが、なんだか可愛かったです。

「はい。ごゆっくり。では、後ほど。」
そのまま、お部屋を出ようとすると、呼び止められ。
「あやちゃん。」
「はい?」
「がんばってね。」
「はい♪」
ただただ、嬉しくなりました。

一旦、自分の部屋へ戻り。乱れているところを直して、気付けば鼻歌まで…。
昨日の朝とはまるで違って、心が弾みます。
本当に、あんなに苦しかったのに…。
その気持ちの存在を知っただけで、こんなに変るものなんですね。
緊張はしますが、お顔だって見られますし。触ることだって出来ました。

まだ時々、胸がぎゅっとなったりしますけど、それは苦しいではなくて。
なんでしょう?とっても不思議な気持ちなんです。

…さぁ。今日も一日が始まりますよ?

彩乃様?私、彩乃様のメイドでとても幸せです。
初めて彩乃様のお部屋に連れてきて頂いた時から、それは変っていません。
きっと、まだまだ知らないことがあると思いますが、私のコト見捨てないで下さいね?


<のっちのメイドさん>fin





最終更新:2009年03月30日 21:10