「いや・・・それは、できん」
って、ゆかちゃんが言った。
「な、なんで!?」
思わず、怒り口調で言ってしまった。
「大学辞めようと思って。アパートも引き払うことに決めたのよ」
「急にどうして?」
今度はあ〜ちゃんが訊く。
「ちょっと旅にでも出ようかなって。実は・・・色んな景色を写真に撮りたいって前から思ってたんよね。それに旅は若いうちにしとけって言うじゃろ?」
「別に、今じゃなくてもいいじゃん。みんなで旅行すればいいじゃん!」
あたしは引き止める。
「ありがとう、のっち。でも今じゃないとダメなんよ・・・」
「ゆかちゃん、もう、あ〜ちゃんたちと・・・一緒にいたくないん?」
あ〜ちゃんは泣き出してしまった。
「あ〜ちゃん、逆だよ。ゆかは、これからも三人でずっと一緒にいたいから、今は離れることに決めたんよ?」
ゆかちゃんは、あ〜ちゃんの頭をなでながら優しく答えた。
「ど、どういうこと?」
「正直言うと、今二人といるとちょっと辛いの。でもその辛さは時間と距離が癒してくれると思うのね・・・」
ゆかちゃんはちょっとばつが悪い感じで喋り始めた。
「でも二人は全然気にしなくていいからね。だからのっち・・・ゆかがいない間ちゃんと、あ〜ちゃんの事守ってね」
「あ〜ちゃんものっちにツンだけじゃなく、ちゃんとデレって甘えないとダメよ?」
ゆかちゃんは、あたしの手とあ〜ちゃんの手を取り重ねた。
「ゆかちゃん・・・これって、ハッピーエンドなの?」
あ〜ちゃんはもう涙でグジョグジョ。
「あ〜ちゃん、うちらは終わりじゃないよ。これから・・・スタートだよ」
青空を眺めながら、そう言い放ったゆかちゃんはちょっとかっこよかった。
「だからさ・・・戻ってきたら、三人でまた、一緒にいていい?」
「そんなん当たり前じゃ!!ゆかちゃんは、あ〜ちゃんの親友なんだから一緒にいるのは当然でしょ!!」
泣きそうなゆかちゃんを今度はあ〜ちゃんが優しく抱き締めた。
あたしも目頭が熱くなった。
ゆかちゃんが言った通り、あたしたちの関係はこれからまた始まるんだ。
あたしが三人でいる為に出来ることは?
太陽みたいなあ〜ちゃんと、月みたいなゆかちゃんをこの広い青空みたいに見守ることだ。
そう心に誓って、二人を抱き締めた。
大丈夫。
あたしたちはきっと上手くいくはず。
この先、何が起きても三人いれば何でも出来る、いくらでも乗り越えられる。
だってほら、さっきまで泣いてたのに・・・もう笑い合ってるから—
— Fin —
最終更新:2009年03月30日 21:14