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部屋の前まで来ると中から人の気配がして顔が緩むのが分かった
"中には先輩がいる"そう思ったら心臓が鼓動を始める。

ドアに手をかけると中から声が聞こえてきて思わず手が止まった


「ゆかね、あ〜ちゃんが好き…」

え!?

「またそうやって。大人をからかっちゃ駄目でしょ?」
「違うもん。ゆかはいつも本気なのにあ〜ちゃんが逃げるんじゃん」
「だいたい、私達は生徒と教師なんだよ?あり得んでしょ?」
「関係ない。好きだよ…」
「んっ」

一瞬の間と2人の息が止まる音


「ちょっと…」
「これくらい本気なの」
樫野先輩の声は震えていた
「ごめん。樫野さんの気持ちには応えられない」


こっちに足音が近づいてきたから
慌てて近くの木の近くに隠れる



ガラガラ


ドアから西脇先生が出ていくのを見てから生徒会室へ入る



部屋に入ると机に伏せて震える彼女がいた

「ひくっ…ひっ」

あぁ、もう何だかなー…
泣いてる姿さえ可愛いんだから困る
てか、西脇先生の事好きだったんだ
不思議とショックな気持ちがないのは私も彼女とは違う意味で先生が好きだからだろうな


「樫野先輩?」
名前を呼ぶと震えていた背中がビクッとする
そんな姿も…いちいち可愛いと思うのは恋のせい?

「のっち?いつから居たの?」
顔をあげた彼女の瞳は赤く充血していた
こんなに泣くほど好きだったんだ…
今更ながらちょっとショック

「最初から居ましたよ」
「あはは、そっか…」

苦笑いして少し俯く彼女

「振られちゃったよ…」
ポタポタと彼女の手に想いの雫がこぼれおちる
気付いたら私の手がそれをすくい取っていた

「ゆか…一年生の時からずっと好きだったんだ
全然ね、あ〜ちゃんがその気ないこと知ってたけど
それでもずっと好きだったの。」

「うん。」

「何回も他の人で忘れようとしたりして、告白された人と付き合ったけど…
やっぱりあ〜ちゃん以外あり得なくて」

「うん。」

「全然続かなくて…あ〜ちゃんが今学期で退職するって聞いて、もう本当に今日が勝負の日だったの」

「うん。」

「結果は分かってたはずなのにさ…やっぱり悲しいね」

そう言って笑った彼女は儚げで美しくて
今までみてきたどんな表情り綺麗だった
そして、こんな表情をさせる先生に嫉妬心を抱く

悔しいなぁ。


頭を撫でてやると彼女は私の服の裾を掴んでしゃくり上げ始めた
その姿があまりにも愛しいもんだから思いもしないことが口からでた

「樫野先輩…あんま可愛いことすると私諦められなくなっちゃうんですけど?」
「っ!?」

俯いていた彼女が驚いた表情で顔を上げる
その瞬間"しまった"と思ったけど時すでにおそし
あぁ言うつもりなかったのにな…もう白状するしかないかな…


「大好きです。入学式の時から好きでした」
「え、あの…えっと。」

戸惑う彼女の肩を抱き寄せる

「私が先生の事忘れさせてあげますから。他の誰を想っててもそんな隙間なくなるくらい私で一杯にさせますから…」

自分でも凄い気持ち悪いこと言ってると思ったけど口が止まってくれなかった

「……ょ。」
「樫野先輩?」
「いいよ。忘れさせてくれるんでしょ?」

これから私達の奇妙な関係が始まった。






最終更新:2009年04月09日 23:38