「見えなくするとか、どう?」
「ほうじゃね、そーする」
「ゆかも手伝うよ。」
のっちにしては少し早めの起床。
のそのそと洗面所へ向かう途中、ドアの隙間から漏れる会話が耳に届いた。
あ~ちゃんとかっしー、もう起きとったんね。
履いていたスリッパをその場に置き去りにして、音を立てずにドアに近づく。
そして、
「なんの話しとるん?!」一気にドアを開ける。
「朝から騒がしいねぇ…」
なのに二人は大したリアクションもなく、ふつーに振り向いた。
程なくして、あ~ちゃんの眉間にしわが寄る。
「のっち、あそこにスリッパ放ったじゃろ。」
「あ…」
あ~ちゃんの指差す先に置き去りのスリッパ。
朝からあ~ちゃんの説教か…、今日の運は末吉ってとこかな。
「てゆーか起きるの遅いよ。」
かっしーの苦笑い。
それ一番キツイんよ…やっぱ今日は凶。
うわ、今日は凶って、のっちウマー!
「なににやけとん!はよう準備しんさい!」
うわうわ、やばっ。
また怒られちゃった。
大好きな人から睨まれてねー…もう大凶じゃん、今日の運勢。
それから大急ぎで身支度整え、迎えに来たもっさんを少し待たせ、あたしたちは仕事に向かった。
レコーディングに、取材に、取材…。
月が真上にきた頃、あたしたちはやっとこさ帰宅した。
「お風呂誰からー?」
まとめ役のかっしーは、こうして毎日あたしたちをうまく転がしている。
「のっち最後でいいや、ゲームやるし。」
そう、買ったばかりのあのゲーム…まだ全然進んどらんけぇ、進めなきゃ。
「最後呼んでね!」
返事を聞く時間も惜しいので、お先に失礼!
2時間ほど立ったかな。
PSPから出る派手な音だけの部屋に、ノックが響く。
ノックをするって事はかっしーだ。
あ~ちゃんはぶっきらぼうに、いきなり開けてくるけんね。
「はーい。」
のっちの返事と共にドアが開く。
さらさらの黒髪がビューチフルなかっしーが登場。
「上がったけぇ、のっちだよ。」
それだけ言うと、ひらひらと手を振ってかっしーは戻って行った。
お風呂に行くには、必然的にあ~ちゃんの部屋前を通る。
廊下側につけられた奇妙な窓。
のっちのお気に入りの窓。
通りすぎる時にさりげなくチラ見してみる。
可愛いらしい窓の向こうには、あ~ちゃんとかっしー。
楽しそーに何か話している模様。
「…のっちも後で行こ。」
今すぐ部屋に駆け込みたい気持ちを抑え、早足で風呂場に向かった。
最終更新:2008年10月10日 16:34