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「...った! 」
あ。夢? 現実じゃないの? 視線を下げると枕がぐしょ濡れになっていた。
顔も涙でびしょびしょ。寝たまま泣いてたんだ。
外は雨。今の気分をそのまま絵に描いたような風景だった。本当に夢なの?
時間を見るとまだ4時。私は夢の中の自分を思い出した。

私は気絶した自分を幽体離脱みたいな状態で見ていた。
でも私の記憶にこびりついたのは倒れた自分の姿でも真っ白い顔をしたあ~ちゃんでもない。
見たこともない抜け殻のようになったのっち。
あ~ちゃんは太陽で、のっちは月だから、あ~ちゃんという光を失ったらのっちは輝けない。
私がもしあの場面に本当に遭遇した時に私は耐えられるの?
私の世界から全ての光が失われる状況を頭の中に描いた。
ヤバい。想像するだけで胃が苦しくなってきた。戻しそうになってトイレに駆け込んだ。

「現実に起こる訳ないのにバカバカしすぎだよね。」

苦しみが収まる頃には5時半を回っていた。
もし、もしも二人を失ったら? 頭の中を駆け巡る問い。頭がおかしくなりそう。
でも考えずにはいられなかった。
じゃあどうして二人がいないと苦しいの?もしかして私二人に頼りすぎてた?
でも二人に頼られてる気もする。まぁあ~ちゃんが本当に頼ってくれたことがないのは分かる。
でものっちはどう?私に頼ってくれてる?迷惑かけてない?

すごく不安になった。自分の非力をひしひしと感じてる。私は二人にとって何か大事な存在?
自分って二人にとって必要なの?自分の存在意義まで疑わしい。
一人失うことで二人を失うことになるのなら、自分も一緒に。
それくらい二人のことを想ってる。だからこそ余計に不安になる。

その時急にケータイが鳴った。背筋が凍った。あの夢が現実に起ころうとしてるんじゃないか。
ケータイがこんなに怖いなんて初めて。でもとらない訳に行かない。
手が震えながらも何とかケータイを開き通話ボタンを押す。

「はい、樫野です。」
「もしもし!有香ちゃん?あ~ちゃんじゃけど今日遊べない?」
ふぅっ。体の力が抜けた。何だ。こんなにノーテンキに。人の気も知らないで。
「うん。OKよ。」
「じゃあ10時のっちん家ね!」
「は~い。」
電話が切れた。よかったぁ~。普通に無事じゃん。
安心して糸が切れたように私の意識は遠のく。
じゃあ二人とも後であおうね。






最終更新:2008年10月10日 16:36