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あ〜ちゃんが部室に来た日から

あたしは、どんどん調子を崩していった。


のっちと一緒にいたいと
本心を認めてしまってから

どうにかして、流れゆく時間に逆らおうとした。


けれど、それらは
ことごとく失敗して、
残酷にも、時の流れを速めてしまっただけだった。



春までのタイムリミットが
この冬まで、となってしまった・・


自分が招いたこと、だ。


わかってる・・


ただ、以前の自分に戻ればいい、、

のっちと出会う前の、自分、、に。。。





そんなこと、できない。



眠れなくなった。

食べられなくなった。


この前、夢に
あの人が、出てきた。。


もう、いっぱいいっぱい、だった・・・



急遽、出張となった
中田先生の代わりに
3年生の補習を受け持つことになった。


      • のっちは、いるだろう、、、か?


会いたい・・・


もう久しく会ってなかった。


けれど
頭の中のどこかが
ココロん中のどこかが

会うことは、危険だ、と
警告している。




補習当日。

朝から、そわそわして
そして、連日の体調不良のせいか
なんだか、ふわふわして
カラダもココロも落ちつかなかった。


教室の前。

大きく深呼吸。


ゆかは、、、先生、なんだから・・

自分に言い聞かせる。



教室に入る。

窓際に座ってるのっちの姿が
真っ先に、目に飛び込んでくる。


それだけで、どうにかなってしまいそうだった。


簡単に挨拶をする。
一瞬、のっちと視線が交わる。

ダメ、だ・・


引き込まれる前に
ぐっと、“先生”へとベクトルを戻し
授業を始める。



のっちの視線を感じたけれど
気付かないフリを、した。


必死に、気付かないフリ、、を。



ダメだ、

グルグルといろんな感情が入り混じって

ふらふらしてきた。


それでも、なんとか補習を終える。


よかった・・・

ホッとした瞬間。


さーっと

頭の中がサクラにさらわれ
      • 気を失った。




目が覚めると
真っ白な天井。。。そして、
のっちの、少し困ったような、、、
それでも、最高に愛しい笑顔。


「覚えてますか?・・補習、終わった途端、倒れたこと…」
「あぁ・・・」

そっか、、



のっちは、いろいろと心配してくれるけど
きちんと、頭ん中に入ってきてくれない。


「なんか、、あったんですか?」


のっちを見つめる。

「…うぅん、、なんも、ないよ」
としか言えなかった。


のっちは、うつむいてしまった。


「のっち?・・久しぶり、だね?」
「…あ、・・はい・・・」
「さすがに、勉強が忙しくなってきた?」
「あ、、、はい・・」
「部活にも、来なくなった、、よね?」
「あ、、はい・・」


「ふふっ、さっきから“あ、はい”ばっか」


変わらない
密かに大好きな、そのぶっきらぼうな返答に
思わず、笑いがこみ上げてくる。


顔を上げてくれたのっちは、再び
「あ、はい」って。。


視線が交わり

同時に笑いあう。


「・・ふらっと、部室、立ち寄ったりも、してたんですよ?」
「先生も、、忙しいんですね?」

「・・・うん」


忙しい、、、か・・


ダメだ、、、また
ふらふらしてきた。


目の前が暗いのは
夕日が落ちてしまったから
だけ、だろうか・・?


「・・・電気、つけます、、ね?」
そう言って、立ち上がろうとした
のっちに、すっと手を伸ばす。



無意識だった。

うぅん、、、ココロが赴くまま、、に。


「手、繋いでても、、いい?」
そっと、その手を握り締める。


「あ、、、はい・・・」
そう言って、のっちは
すとん、と
再び腰をかける。


指先を絡め直す。


自分の行動に
びっくりして、顔をあげられない。

のっちは今、
どんな顔をしてるのだろう・・・



表情は見えない。

けど、繋がれた
指先から伝わる体温で

のっちの
そして、ゆかの


溢れ出そうになる想いが

伝わるような気がした。



寒さなんて、微塵も感じない。

ただただ


流れる時間に
伝わる体温に

身を任す。


時が止まればいいのに・・・


ガラガラ


そんな願いもあっけなく砕かれ


扉の開く音で
どちらからともなく
絡めた指先を、解く。


一気に
身もココロも、冷めていくのがわかる。


保健の先生とやり取りしてる途中に

「じゃ、あたしは、これで」


そう言って、
のっちは保健室をあとにした。


いかないで・・



そんなこと、言えるはずなかった。




のっち?



なんで、こんなことになっちゃったんだろう?

      • うぅん、、全部、ゆかが悪かったんだよね・・







最終更新:2009年04月10日 00:13