「着いたー!!」
「うみー!!」
「わおーん!!」
電車と特急に揺られること約3時間。
海の開放感を目の前ににして叫んでみたものの、やはり閑散としている冬の海。
昼間だと言うのに、散歩する近所のおばちゃんも見当たらないくらい人通りはない。
まぁ、それでもアガるテンション。
潮風の匂い、波の音、キラキラ揺れる水面。
海ってだけでワクワクするよね。
あーぁ、今が夏だったら、あ〜ちゃんとゆかちゃんの水着姿が見れたのかな?なんて考えるとかなり残念だけど。
でもゆかちゃんの悩殺美脚ライン(特にお尻から太ももの!)や、あ〜ちゃんの水着からこぼれんばかりのけしからん胸が惜しげもなく公衆の面前に晒されるなんて、、、け、けしからぁぁぁぁぁん!!!!!
「あ〜ちゃん、、のっちが鼻血出しとる」
「どうせ、また変なこと考えとるんじゃろ」
あっぶね。。想像しただけで死にかけた。
うん、逆に今が冬でよかったと思おう。。
「ああ・・・残念な顔になっとるね。。」
「エロ犬は置いていこっか。いっそ、捨てて帰る?」
「はぅっ!!ちょ、ちょっと待ってよぉぉ!」
容赦なく置いていく気満々の二人のあとを慌てて追いかけた。
ってか、あ〜ちゃん、、お願いだから捨てるとか冗談でもやめてくらさい。。
*****
とりあえず海岸に降りてはみたものの、見事にクジラの姿は見つからない。
次第に目的が脱線して、三人でふざけながら砂浜を駆け回りはじめた。
あ〜ちゃんとゆかちゃんも小旅行気分でいつもよりもハイテンションみたいだ。
「ゆか、フリスビー持って来たんよ」
なんてゆかちゃんがフリスビーを持参してくるから、二人が投げるフリスビーをひたすら追いかけるはめになってしまったけど。
「もう無理ー」
砂浜に倒れるように倒れこんだ。
砂浜って砂に脚を取られて走りにくくて、もう勘弁。。
そういえば、二人も「砂が入るから」なんて言ってパンプスを脱ぎ捨ててたっけ。
「真冬の浜辺で全力で遊ぶ女子大生ってどうなんよ?w」
なんて笑いながらあ〜ちゃんとゆかちゃんも横に座る。
キラキラしたペディキュアが施されたつま先が砂にまみれている。
「もう、ほんま何しに来たんかねぇ?w」
オレンジ色に染まった海夕日が沈んでいく。
なんてキレイなんだろう。
三人とも今はまだまだ子供だけど、いつか、もっと大人になる。ならなきゃいけない時がくる。
その時にのっちは二人のそばにいることはできるのかな?
いつまでも、こうやって、三人一緒に、同じ時間を過ごして、同じものを見ていられるのかな?
「ってかさー、もう、のっち、元に戻らんくていいじゃろ?」
「ゆかちゃん、めんどくさくなってきたでしょ?」
「・・・・・・ソンナコトニャイヨ」
って、ゆかちゃん、、思いっきり目泳いでますけど。
「・・でもほら、今のままだったらあ〜ちゃんちにずっと住めるよ?」
「そ、それはいいかも・・・」
「ま、そんなことはゆかがさせんけどね」
「うぅ・・・ゆかちゃんイジワル・・・」
「あ!」
あ〜ちゃんが空を指した。
そして、その先に現れた大きな影。
「「クジラっ・・・!」」
のっちたちの真上の空を泳いでいく白いクジラ。
キレイな白色が夕日に照らされて、その輪郭が柔らかく歪む。
うわぁ・・・クジラって空も飛べるんだっけ?
シュールな光景を目の前に、ただただその存在感に圧倒された。
「ほら、のっち!願わんとっ!」
ゆかちゃんの声で我に帰る。
ふと横をみるとあ〜ちゃんとゆかちゃんが目を閉じてクジラに願いを込めていた。
そうだ。
のっちも願わないと。。
願い?
のっちの願い・・・
のっちの一番の願いは・・・・。。
そっと浮かんだひとつの願いを心の中で呟いた。
目を開けると、白いクジラと目が合った。
その瞬間、クジラが笑った、ような気がした。
最終更新:2009年04月10日 00:34