私の隣でスヤスヤと眠るのはキノコ頭の彼女
いつものようにキノコ頭を撫でてやると
気持ちよさそうにムニャムニャ言って抱き着いてくる…
やばい!!超可愛いんだけど

「あははは」

突然、笑い出して起こしたかな?っ心配したけど寝言だったみたい。
安心したのも束の間…寝言は止まらない


「あ〜ちゃん!大好きっ」

え…あ〜ちゃん夢に出張してるん?
なんか嬉しいかも

「ふふ。あ〜ちゃん。ちゅうして」

口を尖らせてちゅうをねだってる
かわいいなぁ。ってどんな夢!?w

「へへ。」

幸せそうだなぁ…
んーやっぱ嫌かもしんない
今のっちを笑顔にしてるのは
"夢の中のあ〜ちゃん"
本物のあ〜ちゃんは隣にいるのに…
なんて嫉妬してたら声の調子が変わる


「あっ…待って。」

「嫌。やだぁ…」

え?何?どうしたの?
のっちの頬を一筋の光が伝った
それと同時に潤んだんだ大きな瞳が私を捕らえる


「あ〜ちゃんっどこも行かんでよぉ…っ」

力一杯しがみついて来るのっち

「いかんよ。あ〜ちゃんはここにおるじゃろ?」

私は頭を撫でながら言葉を並べていく

「大丈夫だから。もぉ突然どうしたんよ?怖い夢みたん?」

「あ〜ちゃんが…のっちの事置いてって…どっか行っちゃって…あー怖かった。」

赤ん坊みたいに抱き着いてくるのっち

「…あ〜ちゃんがのっちから離れるはずないじゃろ?」

「本当に?本当に?」

ハの字眉毛で尋ねるのっち
まだ信用してないな…全く困った子じゃね。

「そうよ?あ〜ちゃんはのっちが大好きなの」

こんなに恥ずかしい事言ってんのに…その瞳から不安の色は消えない

「もぉ…いいわ。そんな子には魔法をかけるけぇ」


ちゅ





唇を離した途端のっちの顔が茹でダコみたいに赤くなった
けど直ぐにキラキラの笑顔に変わる

「うんっわかった!」

そう言うのっちは王子様みたいで
今度は私が茹でダコになっちゃう

「あ!あ〜ちゃん赤くなっとるw」
「もうっ」
「へへっ可愛いなぁ♪」
「っ///」

さっきまで泣いてたくせに…もう立場は逆転しちゃってる
いつもこうだ。のっちのストレートな言葉は私をドキドキさせる


「あ〜ちゃん可愛いっ♪あ〜ちゃん大好きっ♪るんるんっ♪」



最初は赤ん坊みたいだったのに
今は小学生みたいに歌い始めてる
そして今度は…大人なあなたが顔だす


私を一番ドキドキさせる顔



「ねぇ?もう一回魔法かけて?」


耳元で囁かれる低い声に導びかれて


ちゅ


夢のあ〜ちゃんに負けないように…そう願って口付ける


突然、下から覗きこまれたと思ったらのっちが口を開いた


「のっちはね。夢のあ〜ちゃんも好きだけど…やっぱり本物のあ〜ちゃんが大好きだよ」





そう言うのっちのキラキラの笑顔が眩しい
あーやっぱり貴女は私の王子様だね
私の不安なんてお見通し
魔法をかけたつもりが
結局、魔法にかけられてるのは私の方みたい



  • END-








最終更新:2009年04月10日 00:56