ゆかちゃんから誘われた3人での打ち上げ。
もちろんすぐにOKをだして、ゆかちゃんと二人で勝手に計画を立てる。
のっちは私達が立てた計画に振り回される役回り。
だいたい3人で遊ぶときはそんな感じで。
メールでのやり取りが煩わしくなって、結局電話で話し合う。
何時に何処で集合して、次は何処で何して。
話を進めていくと、突然ゆかちゃんが申し訳なさそうに従姉妹との予定があることを話し出した。
『ごめんね、あ〜ちゃん。お母さんがホントうるさくてさぁ…』
「謝ることないじゃろ。仕方ないけぇ。じゃあ、ゆかちゃんが帰る時間でお開きにし…」
『駄目駄目!!ゆかがいなくても打ち上げは続けんと!』
「えっ?」
『もう夏休みは目の前にまで来てるんよ!そしたらもう…打ち上げなんて言ってられんし』
「そりゃ、受験生だもんね…」
『だからのっちとあ〜ちゃん二人だけでも打ち上げを最後まで楽しんで欲しいの!』
力強く説得されて、ゆかちゃんが帰った後も打ち上げを続けることにして一段落がついた。
電話を切った後、ベッドの上に寝転びながらのっちとの予定を考えてみる。
あれ?
良い案が出てこないんじゃけど…。
そういえばのっちと二人だけで遊んだ覚えがない。
ゆかちゃんとなら二人でお買い物に行ったことあるんだけど。
のっちとお買い物?
なんか…違う。
携帯を再び手に取り、ゆかちゃんにメールで相談する。
直ぐに返事が来る。
『浴衣でお祭りとかどう?』
このゆかちゃんのメールがのっちへのちょっとしたドッキリ計画の始まりだった。
電話を切った後、ベッドの上に寝転びながらのっちとの予定を考えてみる。
あれ?
良い案が出てこないんじゃけど…。
そういえばのっちと二人だけで遊んだ覚えがない。
ゆかちゃんとなら二人でお買い物に行ったことあるんだけど。
のっちとお買い物?
なんか…違う。
携帯を再び手に取り、ゆかちゃんにメールで相談する。
直ぐに返事が来る。
『浴衣でお祭りとかどう?』
このゆかちゃんのメールがのっちへのちょっとしたドッキリ計画の始まりだった。
何も知らされないまま急に服を脱がされて動揺するのっちの様子は面白かったけど、
いざ浴衣を着せてみると別人みたいに思えた。
女物なのに何故かカッコ良く着こなしてる。
若干納得いかんから、自分の着付けのお陰と思うことにした。
自分も浴衣に着替えて、ゆかちゃんとお別れする。
これからのっちと二人かぁ…。
変に意識して緊張する。
のっちはゆかちゃんから来たメールを見てるみたいだけど、表情が固い。
のっちも緊張してるのかな。
「あ〜ちゃん、予定って何?」
「この近所でお祭りあるから、そこに行こうかなって」
「お祭り!超良い!!行こ行こ」
のっちの表情が柔らかくなる。
なんだか安心する。
二人で草履を履いて、お祭りに向かうともう人がウジャウジャだった。
あまりの人の多さに二人とも歩みを止めていた。
「凄い人じゃね…」
「うん…」
真っ直ぐに人混みを見つめて呟くのっち。
なんだか妙に大人っぽく見えた横顔。
のっち、恋しとるんだっけ。
恋をすると人は成長するっていうけど、
のっちも私の知らないのっちになっていくのかな。
そう思うと、急に寂しくなった。
のっちが何処かに行ってしまうような気がして。
「ん、手。」
私は右手を差し出す。
「はぐれちゃ、駄目…じゃろ?」
適当に理由をつけて。
本当は少しでも私の知ってるのっちを手放したくなかっただけなのに。
のっちは優しく微笑んで、私の手を握る。
指まで絡めたのは、きっと深層心理の表れ。
人混みの中に入って少し行くと、小さい子たちがいっぱい集まっているお店があった。
そこは金魚すくいのお店。
のっちと二人で金魚の数を競う。
時々隣にいる小さい女の子に話し掛けたりして。
何故かのっちは見るからにガキ大将みたいな子とも競争してるし。
結局私が勝って、のっちが罰ゲームとしてジュースを買ってくることになった。
お祭りの屋台から少し離れた人気の少ない場所でのっちを待つ。
しばらくしてもなかなか帰ってこない。
少し不安になってきた頃、人影が私に近づいてきた。
のっちだと思っていたら、全然知らない男の人。
『ねぇ、君誰か待ってんの?』
私が嫌いなチャラい感じ。
「はい、そうですけど。」
極力冷たく言ったつもりなんだけど、思ってたよりしつこい。
『それって友達?女のコ?俺、ダチとこれから遊ぶんだけどさ、一緒に来ない?』
返事もしてないのにドンドン一人で話を進めていく。
ホントにムカつく。
「結構です。」
『いいじゃん、ちょっとだけだからさ』
急にその男の人に腕を捕まれる。
さすがに怖くなってきた。
手を払おうとしても、流石に男の人の力には敵わない。
「ほ…んとに、止めて…下さいっ!」
『冷たいな〜。でも俺、女のコに冷たくされんの結構好きかも』
『冷たっ!!!』
腕を掴んでいた手が緩む。
その隙に男の人から離れる。
辺りに広がる柑橘系の甘い香り。
足元には空になった紙コップ。
私とその男の人の間に立ちはだかったのは、のっちだった。
「すみませんけど、冷たくされるのが好きだったらそれで我慢して下さい。
あ〜ちゃん、行こ。」
のっちは私の手を取って歩き出す。
後ろの方からあの男の人の怒鳴り声が聞こえてきた。
私達は屋台のある方に向かって走る。
人と人の間を必死に走り抜けた。
ハラハラしてるし、ドキドキもしてる。
でもなんだか可笑しくて、二人とも気づけば笑いながら走っていた。
そのままのノリで、いつの間にか私の家の手前まで来ていた。
「あーあ…可笑しかった」
「あははっ、そだね…ってあ〜ちゃん!?」
「何よ急に」
「だって…泣いてる、から」
「え…」
ホントだ。
のっちに言われて気がついた。
一気にさっき腕を掴まれた時の恐怖が蘇ってきて、足が震える。
「ごめんね。もうちょっとのっちが早く戻れたら良かったね。」
のっちが私の頭をそっと撫でる。
「怖かったよね。」
私の涙の原因はその恐怖ではない。
それだけはわかってる。
のっちに撫でられる程余計に涙が出てくる理由と、きっと同じ。
「今はのっちがおるから安心じゃろ?」
うん、そう。
のっちが戻って来てくれて安心したから。
ホッとしたから溢れてくる涙。
その涙が止まるまでのっちはずっと頭を撫でてくれた。
「ちょっとは落ち着いた?」
「うん、ありがと。」
私がお礼を言うと、のっちは照れ臭そうに笑った。
「あっ…罰ゲームのジュースなんだけど、あいつに投げちゃったからさ……」
「もう!」
「ごめんごめん!!今度また買うから」
「そうじゃない!そんな小さいこと気にするなって言いたいの!
第一、あれで助かったんだからね。
ほんっとに今日はのっちがいてくれて良かったぁー!」
「今日『は』?『は』なの?」
「ふふっ、今日『は』!」
いつもの感じでふざけたつもりだったのに、のっちの反応が返ってこない。
「のっち!冗談だって!!冗談…」
「のっちは…いつも一緒にいたい。」
「へ?」
「のっちはあ〜ちゃんが好き、だから。」
そう言い残して、のっちは走って帰って行った。
残された私は一人のっちの言葉を繰り返す。
のっちの好きな人って、私だったの?
つづく
最終更新:2009年04月10日 01:03