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Side N
はぁぁ〜…。
机に頬杖をつきながらため息を吐いた。

「のっち、どうしたん?おっきい溜息なんか吐いてぇ。」
「あぇ?」
「なにそのアホ面。」

アホ面w
まぁ、ホントにそんな顔してるのが分かるから、なんとも言えません。

「だって、学校に居る時間長いんだもぉん。」
「今さら言ってどうするん?時間はずっと変っとらんじゃろ。」
「そ〜ですけど〜。」
「あ。あやちゃんおらんけぇ、寂しいんじゃろ〜?」
茶化すように言ってくるゆかちゃん。

「まぁ〜、そんな感じ?」
素直に答えたのにゆかちゃんの反応は。
「うはwうけるw」
「ちょっと!バカにしてんのか!」
「あwごめんごめんw可愛いなぁと思って。」
そう言いながら笑ってるのは何でですか。

あたしの最近の悩み事。
そう、学校に居る間あやちゃんの顔を見れないという…。
なんとも、ちっさな悩みなんです。
いや!あたしにしてみたら、めっちゃくちゃ大きな悩みなんよ?

「ゆかちゃんは?寂しくないん?」
「はい?」
「その、執事さんおらんで…。」
「はぁ?何でそこでうちののっちが出てくるんよ?」
凄い怪訝そうな顔で言ってくるゆかちゃん。
「だ、だって、凄い仲良いじゃん?じゃけぇ、そうなんかな〜と思ってぇ。」



「う〜ん。アレは、学校におらんくて正解。」
「なんでぇ?」
「周りがきゃーきゃー騒いでうるさいけぇ。」
「あー…執事さんモテモテだもんね。」
「人の気も知らんと…。」
ぼそっと言ったけど、確かに聞こえた。

「ゆかちゃん。ヤキモチ?」
「にゃ!別に違うもん!」
ちょっとだけ、頬を染めてるゆかちゃん。この間も思ったけど。
「ゆかちゃんて、可愛いねw」
「のっちに言われても嬉しくにゃい!」

なはははwそうですよね〜w


退屈な時間も過ぎて、ようやく帰れる〜。

家に着いて玄関を開けると、いつもの光景。

「お帰りなさいませ。彩乃様。」
一礼したあやちゃんが顔を上げて、ニコッと笑ってくれる。

それを見ると、抱きしめたくてウズウズしてくる。
でも、ここで抱きついちゃうとまずいから我慢我慢。

あたしの部屋まで来て、これで心置きなく…。
そう思って、あやちゃんの後ろから近づいて行ったのに。

「彩乃様?今日の学校はいかがでしたか?」
そう言いながら振り向くあやちゃん。
「ん〜。相変わらず?あんまり勉強好きじゃないし…。」
抱きしめるタイミングを逃してしまった。

「楽しくありませんか?」
「え?いや〜、学校は楽しいんだけどね〜。なんていうか…あやちゃんがおらんけぇ、寂しいんよ…。」
我ながら、ちょっと情けないセリフだ。

「私が居ないと寂しいんですか?」
「うん…。そう。」
そう言って、さっき逃したタイミングを取り戻す。


あやちゃんの腰に腕を回して抱き寄せると、あやちゃんの香りがして落ち着く。
「あやちゃんの香りって良いね。安心する。」
「そうですか?」

前までは、抱き寄せただけであたふたして、顔を赤くしてたのに。
最近は慣れたのか、そこまであたふたしなくなった。ちょっぴり顔は赤くなるけど…。

「うん。…あやちゃんは?あたしが居なくても平気?」
「はい。大丈夫です。」
「えw」
マジで?寂しいって言ってくれると思ってたのにwちょっとショック…。

「ぃえ…。違いました。少し寂しいです。」
そっと、あやちゃんも腕を回してくれるけど…。
「少し…なんだ…。」
うぅ〜、あやちゃんにとって、あたしってそんなもんなの?

「はい。だって、私には彩乃様から頂いたネックレスがありますから♪」
ネックレス?
「え、もしかして…?」
「彩乃様の代わりだからと、そう言ってくださった物ですよ?」

あやちゃんは首元から、あの小さなハートを引っ張り出してくれた。
あたしがお礼にって上げた、ネックレス。
うわ〜、すっごい嬉しいかも。

「着けてて、くれたの?」
「もちろんです。毎日着けさせて頂いています。彩乃様が居てくださると思うと、寂しいのは少しだけなんです。」
凄く嬉しそうに言ってくれる。
「ありがとう。着けてくれて、嬉しいやぁ。」
もう一度、ぎゅっと抱きしめる。
そっか。あたしは、あやちゃんの側にいたんだね。

ふっとあやちゃんが思いついたように話し出す。
「あ。そうです。こうしましょう。」
少し体を離して、あやちゃんが、髪を束ねていたゴムを解く。
下りた髪から、あやちゃんの香りが鼻を掠めていく。

「こんな物しかありませんが、すみません彩乃様。手を出して頂けますか?」
「う、うん。」
言われたとおりに、あやちゃんの前に腕を出すと、そのゴムを手首に嵌めてくれる。
「これは、彩乃様が持っていてください。」
「あたしが?」
「はい、学校に居る間は、コレを私だと思ってください。そうしたら、少しは寂しくなくなりませんか?」



あ〜、もう!あやちゃんは、簡単にあたしのツボを押さえてくるんだから。
「うん!ありがと。コレずっと着けてるわw」
嬉しくなって、またぎゅって抱きしめる。

「あ、彩乃様w苦しいですぅ。」
「あぁ、ごめんごめんw」
「ふふ。それに、いつもこうやって抱きしめて下さるので、すぐに寂しいのなんてどこかに行ってしまいますから。」

「なははwでも、これってあたしが寂しいからしてるんだよね〜。」
「…それでは、私も、少し寂しかったので、キスさせて下さぃ。」
「え゛?」
少し遠慮気味に言ってくるあやちゃんに、ちょっとビックリ。

「ダメですか?」
あたしはブンブン顔を振って
「ダメじゃないじゃないwあやちゃんがそう言ってくれると思わんかったけぇ。」
「では、しても良いですか?」

何気にあやちゃんて、押しが強いよね?それとも、あたしがあやちゃんに弱いだけ?
「も、もちろん。あやちゃんなら何時でもオッケーじゃよ?」
「えへwそれでは遠慮なく。」

無邪気に笑いながら、あたしの首に腕を回して、ちょっと照れながら唇を重ねてくる。
また、その表情と仕草が可愛いんだよね〜。

あと、これは少し予定外だったんだけど…。
あやちゃん、キスが上手くなっちゃって、嬉しいやら何やらで…もぅ、ね。

「彩乃様?顔が赤いですよ?大丈夫ですか?」
「え…。ぁ、あ〜、うんうんw大丈夫。」

しかも、無自覚なのが恐ろしい…。



翌日。
学校で、あやちゃんから貰ったゴムを眺めてたら
「のっち、何ニヤケとるん?」
「え?」
知らぬ間に顔が緩んでたみたいです。
「で、ソレ何なん?」
「あ、これ?コレはね〜。あやちゃんがくれたんよ〜。」

「…盗んだんじゃないん?」
「ゆかちゃんヒドっ。」
「w冗談よ〜冗談。でも、のっちぃ…。」
も〜、言って良い冗談と悪い冗談があるでしょ?

「何?」
「その光景、ちょっとキモイよ?」
「……。い、良いですよーだぁ。あたしにはあやちゃんが付いとる!」
よくよく自分の姿を想像してみるとそんな気がするけど…。
だってだって、嬉しいんだもん。しょうがないじゃろ?

「ま、とりあえず幸せそうでなによりじゃわw」
ケタケタ笑うゆかちゃん。

昨日は気付かなかったけど、コレあやちゃんの香りがして側に居るみたいで落ち着く。
ホント、こんな幸せがずっと続いてくれますように…。

<のっちのメイドさん>
〜いつも側に〜fin









最終更新:2009年04月14日 23:25