サイドN
ちょっと待ってよ。
まだ行かないでよ。
私の声は届いてるの?
今おかれている現状が、かなりやばいってわかってるのに、体は動かないまま。
ちょっと待ってよ。
まじで言ってるの?
うるさいよ、あ〜ちゃん。
泣き声で彼女の声が聞こえないじゃんか。
なんて、、
もうどこにもいないんだけどね。
いつだって、何も見抜けない私を馬鹿にしてるの?
いつだって殴りたくなるような衝動をおさえてるんだよ。
あなたはちっともわかっちゃいないんだね。
早く戻ってきてよ。
やたらと寒さが身に染みる冬だった。
それまでの日々が嘘みたいに消えてなくなった。
知らぬ間に彼女の姿は見えなくなったし、知らぬ間に心の奥深くまで彼女の存在が浸透していた。
いまさらもがいて、確かめたって、離れてしまったその手は、もう知らない誰かと繋がりを求めているのかな?
何もできないで、ただ立ってるだけの自分に苛立つだけの毎日。
やたら寒さが身に染みる冬だった。
あ〜ちゃんたちが言った不用意な一言に彼女は揺れて、私の前からいなくなった。
それを聞かされたけど、私はあ〜ちゃんたちを怒る気にはならなかった。
多分気付いていたから。
一時だって、、。
私たちの関係に、未来がないこと。
彼女はそれを気にしてること、気にしないなんて無理なこと。
私はいつだって、そんなのは関係ないって態度をしていたつもりだったけど、
まだ私たちは幼くて、一時の快楽や一時の幸せに落ちているだけだった。
自分の明日もわからないのに、あなたとの関係を、
『ずっとこうしてたいね。』
なんて、
あなたを傷つけるだけだったのかな。
泣きたいのに泣けないのは、多分二人が幼すぎるせいじゃなくて、
子供な私と、弱いあなたが精一杯強がってただけだったんだね。
毎日の生活の中にあなたを探せないまま、別れの冬はすぎて、当たり前だけど季節はまた春になった。
一年前に出会った彼女と、一年も待たずして別れた冬の日。
いや、厳密にいえば別れすら訪れてない。
別れの場面さえ与えずに、彼女は消えてしまった。
会いたくて会いたくてどうしようもない。
不安と焦りから、今まで張っていた強気が、みるみるうちにしぼんでいくのがわかった。
どこにいるのかも、今何をしているのかさえも、わからなかった。
誰にも頼りたくなかったけど、彼女が唯一二人でいる時に口にだした、“あ〜ちゃん”にだけは声をかけた。
だけど返ってくるのは、虚しい情報ばかりで、私はいったい何をすればいいのかすら、わからなかった。
最終更新:2009年04月15日 00:03