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ピンポーン、ピンポーン



「あ〜ちゃん。どうしたらいいかわからんよ…」


震える声でかかってきた突然の電話
足は自然に彼女の家へ走り出していた




  • カチャ
「あ〜ちゃん…」


部屋の中に入ると待っててと言って
彼女はお茶を出してくれた。


あれ?以外に冷静なんだ…

真っ赤な目と対照的な行動に
驚いていたら彼女が話を始める


「あのさ…今日ゆかちゃんが私と別れた理由聞いた。」

やっぱり…。
電話来た時から分かってたよ


「…うん。」

「…あ〜ちゃん知ってたん?」

「…うん。」

「あぁ。そっか…私だけ何も知らなかったんだ。はは…」


「私も、つい最近知ったんよ。ゆかちゃんに口止めされてたけん…ごめんね?」


苦笑する彼女があまりに痛々しくて
変なフォローしか出来ない自分が歯がゆい


「ううん違うんよ。あ〜ちゃんは悪くないんよ。私が1人よがりな行動しか出来なかったからさ…」

「…。」

「もう、後悔してもしきれんのよ。ゆかちゃんがどんだけ辛かったか、考えただけで胸が張り裂けそうでさ…」

「あいつらにも腹立つけど…それより何倍も自分に腹立つんだよ。ほんとっ馬鹿だよ私…」


大馬鹿者なんだよ…そう呟く彼女の右手は強く握りすぎて震えていた


「のっち…。」


彼女の体を引き寄せて包みこむ
壊れてしまいそうな彼女に
今の私にはこうしてあげることしかできない


きっと時折、息がつまるのは腕の中の彼女が泣いてるから




どれくらいそうしてただろう…





「じゃぁ、なんで…なんで今すぐゆかちゃんトコ行ってあげんのよ?」








沈黙を破ったのは私の方だった
本当は彼女自らそうして欲しかったけど
我慢できなくて、促すように聞いた
消えてしまいそうなか細い声で
返ってきた言葉は意外なものだった



「…ゆかちゃんはこんな私のこともう好きじゃないんよ。」






「え?」



「本当は今すぐ会いにいきたい。ありがとうって…ごめんねって…好きだよって…」

「なら…」

「けど恋人が苦しんでる時に気付いてあげれない恋人なんて要らないでしょ…?」


あぁ、そっか。気にしてたんだ


「ゆかちゃんは、そんな風に思っとらんよ」

「じゃぁ…なんで全て終わった今も何も変わらんのよ!?」


大きい声を出す彼女は
今まで見たどんな表情より苦しんでいた

はぁ

何で、ゆかちゃんものっちもこうなんかな

難しいことじゃないのに
お互いのこと考えすぎて空回りしてる


「それは…あ〜ちゃんも分からん。けど!!ゆかちゃんは今でものっちが好きだよ。」

「でも…」

あーもっこの期に及んでまだ言うか!!
のっちの言葉を遮って、話を続ける


「あ〜ちゃんは2人をずっと見てるんだよ?言葉にしなくたって2人が想いあってるんは分かるんよ。」


「…。」


まだ煮え切らない態度の彼女。
今度は声を張っていう


「ゆかちゃんはあぁ見えて不器用だから…また要らんこと考えてるだけなんよ…
本当はずっと待ってるんだよっ!!」


彼女が顔を上げる


「ゆかちゃんが待ってる…?」


もう少し、あと少し。


「あんたはいつも頭で考えるタイプじゃないでしょ?はよ、いきんさいよっ」




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走り始めた足は今度は止まることを知らない。
羽が生えたように軽いんだ。

あ〜ちゃんが言う通り彼女がまだ私のことを想ってくれてるかなんか正直、分からない。


けど、けど、この気持ちは伝えなきゃ…


気付いてあげれなくて、ごめんね。
守ってくれてありがとう。って



私は余計なことばっか考えてたみたい…

彼女がどれだけ苦しい
思いをしたと思ってるんだ

今だって、、、あのこと忘れてるはずないじゃん

終わったことだけど彼女の心はボロボロなんよ


今度は私がその苦しみを背負うから…
今度は気付いてあげたいから…
今度は私が守ってあげたいから…



早く早く早く早く…もっと早く。
誰よりも愛する彼女の元へ…




a-side


「ありがとう」


そう言ってのっちは出ていった

だけど携帯は此処に置いたまま…

あらら。きっと彼女の事だから連絡もとらずに
ゆかちゃんの家に向かってるんでしょ?

「まったく…」

居なかったらどーするんよ…
相変わらず大事なとこ抜けてるんだから
そうゆうとこが…らしいんだけどさ



プルルルルル


「あ、ゆかちゃん!?今どこいる?」

『え?今?買い物してるけど』

「あ〜ちゃん今から家行くけぇ…即効で帰ってきて」
『えぇ!!今から?』

「うん。今すぐ。一生のお願い!!」

『うーん?あ〜ちゃんがそこまで言うなら…』

「ありがと。じゃまた後で」


  • プツッ



背中も押した
舞台も用意した


ゆかちゃんの心に絡み付いた糸。
ほどけるのはのっちだけ



私に出来ることは…ただ祈ることだけ。











最終更新:2009年04月15日 00:11