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サイドK


『だめっ!!・・・・』
思わず声が出た。
『・・・』
電話のむこう、あ〜ちゃんの声がしない。
『や、違くて!!・・・
『違くないでしょ?』
強がりも言い訳も通用しない。
『素直になれば?』
電話のむこう、あ〜ちゃんの声は優しかった。
『本当にこれが最後って言ってたよ?』
電話のむこう、あ〜ちゃんの声が厳しくなる。
『今、どこにおるん?』
『・・・』
『ゆかちゃん?』
『・・・だ、大学の・・』
『大学の?』
『反対側の駅・・らへんに住んで、る、、。』
『近っ!!でも、なんで?そんなとこ・・・』
『・・・っ、、だって、、あの坂道・・・独りで歩きたくないんだもん!!』
『・・・ん?』
『楽しかったことしか、思い出さん・・・から、辛いんよ!!独りで歩きたくないの!』
『・・・のっちはゆかちゃんのこと独りにした?』
『・・・へっ?!』
『ゆかちゃんがのっちのこと独りにしたんじゃん・・』
電話のむこう、あ〜ちゃんの声が心臓を突き破る。
確信をつかれた気がした。
『のっちに言うからね。あ〜ちゃんの役目はそこまで。』
電話のむこう、あ〜ちゃんの声は優しかった。
『もうのっちに悲しい顔させないでよ・・・』
電話のむこう、あ〜ちゃんの声が切なかった。
ごめんね、あ〜ちゃん。
ありがと、あ〜ちゃん。
あのボーダーラインは、あ〜ちゃんのためのものだったんだね。




サイドK




『なんてねw』
電話のむこうであ〜ちゃんが笑ってる。
『違うよ?wのっちのことw』
『へっ!!?』
『だってぇ・・そうでも言わにゃぁ〜ゆかちゃん教えてくれないけぇw』
・・・あ〜ちゃん。。
でも、、
『ありが、と・・・』
『ふふっ、まったくw素直になりんさいや!!w』
電話のむこうで、あ〜ちゃんのどや顔が想像できて、なんだか笑えた。
私はいつまでたっても子供で、親友に嘘までつかせないと素直になれないでいた。
こんな私をあなたはなんて言うのかな?
変わらず愛してくれるのかな?
呆れた顔するのかな?
迎えに、、
きてくれる?の??


わからない、、。
わからないよ、、。


変わらないものなんて、この世の中にはないもん。
ただひとつだけ、
変わらないのは私の気持ちだけ。
今でも
あなたを
愛してる。
ただそれだけ。



サイドN


あの熱帯夜から、あの電話の夜から、私はなんだかすっきりしていて、
あ〜ちゃんからの連絡を待った。
ただひたすら待った。
思いの外、あ〜ちゃんからの連絡は早かった。
それは同時に、彼女も私と同じ気持ちなんだなぁと思って、気分がよかった。
ゆかちゃんがどんな気持ちでいるか、今どこにいるか、なぜその場所を選んだのか、
あ〜ちゃんからの連絡で知ったこと。
だけど肝心な、今どうしたいのか、今私が必要なのか、二人の未来は?
『そんなもんは知らん』
と、ぶっきらぼうにあ〜ちゃんは言った。
ぶっきらぼうだけど、笑いを含んだ優しい声だった。
『あ〜ちゃんの役目はこれで終わりじゃけぇ。あとは自分で探すなりしんさいよ!!』
背中を押してくれたあ〜ちゃんの声は吹っ切れた感触を耳に残し、私を先に進めた。
はっきりとした居場所もわからない。
はっきりとした気持ちもわからない。
わかるのは駅の名前と
私の気持ちだけ。
今でも
あなたを
愛してる。
ただそれだけ。







最終更新:2009年05月13日 23:04