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「あっ。」
窓の外に白いきれいな粒が舞っている。もう初雪かぁ。

外をうっとりと目を見ていたらポケットに入れていたケータイが鳴った。
送信者はあ~ちゃん。授業中だったから机の下に隠してこっそりメールを確認。
あたしとゆかちゃんに一斉送信したみたい。

「初雪記念☆ 今日の6現終了後に屋上に集合!」

二人の方を見ると二人ともニッコリ。 可愛いなぁ。
その後の授業はちょっといつもより長く感じた。
帰りのホームルームが終わると私たちは屋上に猛ダッシュした。


「お~! 雪じゃぁ。」

あ~ちゃんは嬉しそうに笑った。制服の白と雪の白さがあ~ちゃんの存在をより一層際立たせた。
確かにそこにいるっていう安心感をくれるそのまっすぐな笑顔。
粉雪があ~ちゃんを包み込んであたしたちとあ~ちゃんの世界を切り離してるみたい。

「今年はいつもより少し早かったねぇ。カメラ持ってくればよかったわ。」

ゆかちゃんは楽しそうにくるくる回っている。ゆかちゃんの髪は雪をそのまま受け流した。
ゆかちゃんの肌は雪と同じくらいに白くて、ゆかちゃんの周りだけが透明になったみたい。
本当にそこにゆかちゃんが存在しているのかさえ分からないほどにキラキラしてる。
あ~ちゃんとは対照的に輝く最高に甘いその笑顔。

「のっち?どーしたん?目が点よ?」
ゆかちゃんがあたしから数センチのところでぴたりと止まってしゃがみこんで私の目を覗き込む。

あ~ちゃんがゆかちゃんの背中を見て笑ってる。少し寂しそうな目をして。

「あ~ちゃんもこっちおいで?」
ゆかちゃんはさすがに空気が読める人。こっちに来たあ~ちゃんを不意に抱きしめた。
「あ~ちゃん可愛いんよ。」
ゆかちゃんはそう言ってあ~ちゃんのおでこを撫でる。

あたしには入って行けない世界が二人にはある。絶対的な信頼関係のような不思議な繋がり。
それは前から分かってたこと。
それでもそれを目の前にすると嫉妬しちゃうんだよ。

でも粉雪の中でしゃがんだまま抱き合った二人は信じられないくらいに綺麗だった。

眩しいくらいにキラキラしてて、ずっと見てることはできない。

だけど目が離せない。二人してズルすぎるわ。
でもあたしの立ち位置はこれくらいが一番。だからじっと二人を見つめてた。

「のっち?」
意識が戻ってきた。今あたしが行ってたのは夢の世界?
「そろそろもどらにゃ風邪引くよ?」
「うん。」
そういってあたしの手を引くゆかちゃんは妖精みたいに綺麗で、あたしの目を魅了してしまう。
その後に続くあ~ちゃんもふわふわな髪が風に弄ばれるように揺れて、幻想のように写った。
やっぱりこれは現実だね。

この想いが満たされることは無いのかもしれない。だけど今本当に幸せなんだよ?
だからもう少しだけこの距離でいさせて。手を伸ばせば届く。こんな距離で。







最終更新:2008年10月10日 17:13