K『おはよう、あ〜ちゃん。』
A『ん…。』
K『よく眠れた??』
寝ぼけた頭に昨夜の出来事がぼんやり思い出される。
あ、そっか昨日あのまま泣き付かれて…。
A『今、何時?』
K『もう、お昼前だよ?』
クスクス笑うゆかちゃんになんだかほっとした。
もしかしたら昨夜のアレは夢だったんじゃないか、って思えるから。
A『ゆかちゃん…、月に帰っちゃうの?』
K『…帰らないよ?』
その笑顔はいつもの笑顔。
昨夜見たあの顔じゃない事に心から安堵した。
安心したら涙が溢れてきた。
あたしはいつからこんなに泣き虫になったんだろう…。
ゆかちゃんがいないと夜も明けないあたし。
ゆかちゃんがいないと涙を拭う術も知らないあたし。
ゆかちゃんを大好きすぎて、壊れてしまったあたし。
でもどんなあたしでも優しく受け止め愛してくれるゆかちゃん。
K『あ〜ちゃんだけじゃないよ。ゆかもあ〜ちゃんがいないともう無理だもん。』
A『……ゆかちゃん。』
見えるものの全てが触れるものも全てが、リアリティーがないけど、
完璧な計算で造られた楽園でひとつだけ、うそじゃない。
愛してる。
K『愛してる。』
ゆかちゃんの言葉とあたしの想いがリンクして、
きっと世界は創られてるんだ。
じゃなきゃこんなに苦しくなるなんて、
てゆうかありえない。
甘い口づけ、おでことおでこが引っ付く温もり、
あなたと過ごす毎日は幸せで満ち溢れている。
そんな世界をあたしは生きてる。
あたしの中のゆかちゃんはいつも穏やかに笑ってて、あたしも笑ってて。
甘やかされる事が当たり前になってしまうほど、あたしの全てをゆかちゃんが占めてる。
K『あ〜ちゃん、話があるの。』
だからこんな日が来るなんて思ってもなかった。
真剣なゆかちゃんは他人のような感じがした。
A『なに……?』
嫌な予感が、またする。
なんの根拠もないのに、またする。
K『あたしね……。』
ゆかちゃんが言葉を選んでる。
なに?
なんなの?
たいした事ないのなら早く言ってよ?
長い沈黙が痛かった。
A『どうしたの?』
痺れを切らしてあたしから口を開く。
わざとおどけて見ても、空気を変える事は出来なかったけど。
K『あのね、……あたし。』
A『うん、だからなにっ?!』
嫌な予感を拭いたくて、なかば八つ当たり気味に語尾を荒げてしまって軽く落ち込む。
だけどまだゆかちゃんの口は閉ざされたまま。
意を決したのか、あなたの眼差しが厳しいものに変わった。
K『あたし、約束守れないや。ごめん……。』
A『どう言う事……??』
K『あたし後一ヶ月も動いていられないの……。』
意味がわからない。
言葉が頭に入って来ない。
ゆかちゃんが何を言ってるのか理解出来なかった。
ただ、足元が崩れて行く感触だけがやけにリアルだった。
(続く)
最終更新:2009年05月13日 23:17