「は…?」
「だからぁ…言えんかったんよ…」
「なにしとるんよ、勿体ない!」
「だってだって…」
生徒会室で叱るあ〜ちゃんと叱られてるゆか。
あ〜ちゃんは、ゆかがのっちを好きだという事を知っている。そして応援してくれている。
「しかも他に好きな人がいるって思われとるんじゃろ?」
「うん…」
「そんで今更言えんくなっとるんじゃろ」
「そ、その通りです…。だからどうしたらいいか聞いてるんよー」
「知らん」
「えぇー!」
困った時のあ〜ちゃん頼みは叶えられず。
…はぁ、そうだよね。これはゆかの問題だもん。
「…こうなったらずっと演技しとくしかないんじゃない?」
「ふぇ?」
涙目になったゆかの頭をぽんぽんと優しく撫でるあ〜ちゃんが天使に見えた。
「しばらくは他に好きな人がいると思わせとくんよ。んで、のっちのアプローチでめでたく両想いになりましたー。はいハッピーエンド」
「…やっぱりその方がいいのかな」
「のっちには悪いと思うけど、ね…。もしくは、ゆかちゃんが今から勇気を出して実は好きでしたと告白するかじゃね」
頭の中がいっぱいになってしまって、堪らず机に頬をつけた。
ひんやりとした机が溜まった熱を逃がしてくれる。
…少し、冷静になった気がする。
「…うん。決めた」
「ん?」
「のっちには言わない」
「…それでいいの?」
ゆかは静かに頷いた。
…だって、あんな真っ直ぐな目をしたのっちに今更言えない。ううん、言っちゃ駄目だと思う。
今のグラグラゆらゆら浮ついたゆかの気持ちは、真っ直ぐなのっちに対して失礼だ。
「じゃあ、あ〜ちゃんは何も言わない。ゆかちゃんがそう決めたんなら応援するけぇ」
「ありがとうあ〜ちゃん…」
あ〜ちゃんの言葉に心がほっと和らいだ。
やっぱりあ〜ちゃんはゆかの大切な大切な友達だ。
「…でも、のっちに腹が立つんよね」
「えっ、なんで?」
「だってあ〜ちゃんの可愛い可愛いゆかちゃんがのっちにー!!」
「きゃー!!ちょっ、あ〜ちゃんどこ触っt」
ねぇのっち、ごめんね。
お願い、ゆかがちゃんと言えるまで待ってて。
ちゃんと、のっちみたいに真っ直ぐ言えるようになるまで。
最終更新:2009年05月13日 23:31