今日は3人が同居し始めて1周年。
ということで夜明けが来るまでパーティー!ってことにした。
ちょっとムリしていつもは行かないような代官山の高級食品店(笑)でたくさん買い物した。
フィレステーキ、スパゲッティ、ガレット。オードブルも高かった。
ちょっと頑張ってアンチョビなんかもちょびっと買ってみた。結構高くついたなぁ。
完全予算オーバー。またゆかちゃんに怒られちゃうよ。
だけど怒られてもきっとウキウキしちゃうだろうな。ホントに楽しみ。
ゆかちゃんとのっちは大学に行ってたけど、5時くらいには3人が揃った。
「あ~ちゃん、いくらしたん?買い過ぎじゃない?」
ゆかちゃん、気づくの早いよ。
「え~っと...7千円 いや 6千円 ではなく五千円?」
「いやいや、いくらなんかよく分からんよ。」
「うん、そんなもん。」
「う~ん 分かんないけどまぁいっか。」
よし、うまくはぐらかした。
「じゃあ みんな準備OK? よく一年暮らせたね! 今日からもよろしく! 乾杯!!」
みんなでおいしくいただきます。
「ねぇねぇ、あ~ちゃん!これおいしいよ!」
のっちががつがつとオードブルを口に放り込みながらしきりに話しかけてくる。
「ちゃんと飲み込んでから言いんさい!聞き取り辛くてしょうがないんよ。」
のっちは犬みたいにゆかちゃんに擦り寄る。
「ゆかちゃん、あ~ちゃん怖い。」
ゆかちゃんは子供を諭すみたいにしてのっちを撫でると、一言。
「うんうん。でも今のはのっちが悪いよ。」
のっちは叩きのめされたようにその場に突っ伏した。
もう。ホントに今日くらいもっといい雰囲気で食べてよ。
どっかのお城のディナーみたいなメニューなんだから。
どーでもいい話で盛り上がりまくって気がつけば12時。
満腹感が私たちの瞼を重くした。夜明けまでもつかなぁ?
「ごめん、お先に寝るわ。」
ゆかちゃんが最初にリビングを出た。のっちと二人になると何されるかわからん。
「あたしも寝るからのっちちゃんと電気消してくるんよ。」
とりあえず部屋に戻ってベッドに横になった。
「つまらんわぁ。」
これじゃ面白くない。いつもと一緒じゃん。こんな日くらいもっと弾けてもいいかな?
思いついちゃったし。
そろりと部屋を出る。すると足下に何かが転がっていた。
「げ! のっち!?」
私の部屋にある妙な窓。そこを毎晩覗きにくるのはのっちの(悪い)習慣。
今日は眠気に襲われて私の寝顔を見る前に力尽きちゃった模様。
のっちはとりあえず放置。天罰じゃ。
ゆかちゃんの部屋の前に来た。部屋から明かりが漏れている。
まだ起きてるのかな?
扉を開けたい衝動に駆られる。でも鍵が無い。
ドアノブに手をかけてそっと引いてみた。
「あ 開いてる」
中をのぞくと、ゆかちゃんはベッドに腰掛けて壁に寄りかかったまま眠っていた。
そろそろと近付いていく。わずかに開いた窓から夜風が流れてゆかちゃんの髪を揺らした。
さらさらと流れる髪の毛がゆかちゃんを覆うみたいになった。
レースのカーテンがなびいてゆかちゃんを隠す。うっすらとしか見えないその姿。
「眠り姫みたいじゃね。」
でも寝ててもらいたい訳じゃない。今日は特別なパーティーの日じゃけぇ。
眠り姫に目を覚ましてもらわにゃね。
そっとレースのカーテンを払った。ゆかちゃんはすやすやと寝息を立てている。
寝息が流れ込む夜風にかき消されそうなほど静かな部屋。
揺れるゆかちゃんの髪が甘い匂いを運んでくる。
私はゆかちゃんの手をそっと取った。お姫様は目を覚まさない。
そのまま少しづつ顔を寄せた。全く気づかないみたいだね。
深い眠りから帰って来れなくなったのかな?でもそろそろ目を覚ましてね。
私は目を開けたままゆかちゃんに口づけた。鼻をくすぐるような優しい香り。
永遠のキス。このまま溶けてみたい。ずっとこのままで。
優しい時間はあっという間に流れて、お姫様は目を覚ます。
「んっ? あ~ちゃん?」
「ゆかちゃん。パーティーはまだ終わってないよ。」
その目は気づいてるね。本当のお楽しみはこれからだから。
さぁ、光を見つけにいくよ。ついてきてね。
※
若干間取りネタも入れつつ(笑)
この先はみなさんのご想像にお任せします。失礼しました。
最終更新:2008年10月10日 17:24