微er
のっちは友達。
大切な友達。
ゆか達は、友達以上で恋人未満。
のっちは大切な友達。
大切な友達以上で、微妙な距離を保つ恋人未満な存在。
好きかと聞かれたら好きだと思う。
それは友達としての話で。
恋ではないし愛でもない。
でも離れれば寂しいし、毎日会っても嫌じゃない。
でも、君は友達。
「ゆかちゃん」
廊下を歩いてたら後ろから声を掛けられた。これはのっちの声だ。
「んー?」
「今日うち来るん?」
「んー…どうしようかな…」
「どうする?」
「…行く」
「分かった」
ゆかの返事を聞いた後並んで歩きだすのっち。
「…」
ゆかはこの時間が好きだ。
近すぎず、遠からず、のっちはゆかと微妙な距離を開けて歩く。
この距離感が好き。
この空気が好き。
「ご飯どうする?」
のっちが少し斜め下のゆかを見る。この角度がたまらなく好き。
「んー…のっち作って」
「じゃあスーパー寄ってく」
「うん」
端から聞いたらまるで恋人みたいな会話に聞こえるんだろうな、とぼんやり考えた。
でも、のっちは友達。
友達以上で恋人未満。
「ただいまー」
「ここのっちん家なんですけど…」
玄関でブーツを脱いだ。
まるで我が家のように、のっちの了解も得ず家にあがる。
そんなゆかにのっちは呆れましたと言わんばかりに眉を八の字にした。
「いまさら固い事言わんでよ」
「…分かってるよ」
「……」
「ゆかちゃんの事だから」
「…うん」
シューズを脱いで家にあがったのっちが、ゆかの腕を掴んだ。
「…したい?」
「したくなった。…ごめん」
「どこにムラムラきたん?」
「……分からん」
そうぶっきらぼうに言い放ってから、唇をゆかに押し付けるのっち。
バックが床に落ちて音を立てた。
「ん…、ぅ」
「…はぁ」
唇を離した後、のっちはいつもゆかを抱きしめる。
恋人にするみたいに、腕の中にいるゆかの髪を梳く。
「…しないの?」
「早くしたいの?」
「どっちでもいいけど…」
「…するよ」
そっと離れた体温。
代わりに覗き込むようにして、のっちの顔が近くなる。
この端正な顔立ちが好き。
いつも八になる眉も、この時だけキリッとする。
「服、脱がさないよ」
「いいよ。…でも玄関でするの?」
柔らかい唇が耳に当たる。
「嫌?」
「…興奮する」
ぬるりとした舌がねっとり這う。
ゾワゾワした何かが背中に流れた。
「物好き」
「スケベ…」
「スケベなのっちは嫌い?」
ちゅう、耳の後ろ当たりを吸う唇。
こそばゆい感触に身をよじった。
「…すき」
「……ゆかちゃんのスケベ」
「でも、そんなゆか見て興奮するんでしょ?」
また覗き込んでくるのっちの顔。
口角が上がった。
「めちゃくちゃ興奮する」
でも、君はトモダチ。
最終更新:2009年05月14日 02:18