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灰色の雲と雲の間から差し込む光が、
だんだんと広がって、
だんだんとあったかい風になってきた。
もうすぐ冬もおわる。
もうすぐ大学二年もおわる。

前から探していたバイトの面接に行ったのは数日前。
4月から私は家具屋で働く。
家具屋といっても、
インポート物とアンティーク、ヴィンテージを集めた、わりと気取ったお店だ。
大学のセミナーで習ったカラーコーディネートや、
インテリア、空間コーディネートに興味を持った私は、バイト募集の手書きの貼り紙を見つけて、
すぐに電話をした。


今日はそれを彼女に伝える日。
そう決めていた。
もうすぐ春休みに入る。
そうしたら、またすぐ大学生活は始まる。
春休みは二人でゆっくり過ごしたいから、
新学期は忙しいことを伝えて、
春休み中に彼女にもちょっと休みを合わせてほしかった。



足早に家に帰る。
チャイムを鳴らせば彼女が出てきてくれるけど私は、
ポケットから鍵を出してドアを開けるっていう動作が好きだ。
当たり前だけど、
“お揃いの鍵”

鍵なんだから、本当に当たり前なんだけど。


玄関の外で、
二人一緒の鍵を見る、その行為が私を和らげた。




『ただいま。』
バタバタと奥から足音が聞こえる。


『おかえりぃ』
可愛い彼女のお出迎えに自然と顔がゆるむ。
靴を脱ぐと、目の前に両手を広げた彼女がいる。


『なん?今日は甘えたの日?』
ちょっと笑ってやると、
拗ねたように口を尖らせる。
『べっつにぃ〜・・・』
だけど両手は広げたままで、
『ふ〜ん。』
冷静を装って、広げられた両手の中に自ら収まりにいった。


ふわっと優しい匂いに包まれて気分がいい。


『ゆか?ちょっと話ある。いい?』
抱き締め返して彼女に聞いた。
『ふぇっ?』
驚いた彼女。
『ふぇってwうつってるよ?w』
『だって・・・』
あ、むぅってふくれた。
『変な話じゃないから。』
『うん。なに?』
『とりあえず部屋あがりたい。』
『ふふっwそうだね』
『んで、お腹もすいた。』
『ふふっw食べることばっかりw』
『ゆかのご飯おいしいから。』
『・・・ありがと//』


可愛い彼女を独り占めしてる自分は贅沢だな。
なんて考えながら、
話を切り出した。




『あのね?のっちバイトしようと思って。』
たいしたことでもないから普通に切り出した。
『てか、もう決めてきた。』
『4月から授業朝にして、夕方バイトして帰ってくるよ。』
『だから春休みは一緒にいたいんだけど。』
気付いたらべらべら自分ばかり話してて笑えた。



『・・・もっと早く教えてよ・・・』
彼女の言葉。
確かに・・・。
だけどとげもなく、淋しさも感じられない。

『ゆかのこと、すっごい考えてくれるのわかるよ?だけど、一人で考えないで?』

『ゆかには何でも言えって言ったでしょ?だからゆかにもそうして?』

『だってもう二人のことでしょ?』


少し恥ずかしそうに笑いながら、優しい口調で話す。

『うん。そうだね。ごめん。』
確かに・・・。
確かに、そうだよな。
だけど、、



『なんてねwゆかも話あるんよ?w』
いきなり小悪魔な表情で笑いながら話しだした。


『実はゆかね?』





『また大学いこうと思って!!』




『ふぇっ!?』

さっきの彼女とお揃いの
私の変な声に大声を出して笑ってる。

いやいや、ちょっとまて!
大学??


私の表情を汲み取った彼女は、
『4月からまた一緒に通えるよ?w』
『まぁじっ!??』
『まぁじっ!!w』
『ちょ、ちょ、、
『なんよそれ〜w』
『だってなんも言ってなかったじゃん。』
『だってなんも言ってないもんw』
『・・・いやいやいや。』
『ふふっwまた一年生からだけどね?』
『いやいや、そこ?』
『まぁいいじゃん?w』
『いやいや、だって、、えっ?また入学式?』
『ぶはっwだ、か、ら!
休学にしてたの!実は!』
『な、な、な、、』
『超うけるんだけどw』
『はぁ〜、、かなわん。』
『よろしくね?先輩w』
『・・・』
『・・・嬉しくないの?』


嬉しいよ。嬉しいけどさ!
なんで言ってくれないんだよ・・・。


『びっくりさせたかっただけ、だよ?ごめんね?』
私の気持ちを察したみたいに、
タイミングよく髪を撫でられて、どうでもよくなった。
『・・・うん。大丈夫。かなりびびったけど。』
『だからバイトのシフト組むの、一緒に考えよ?』
『うん。そうだね。』
『長く一緒にいられるように、ゆか、考える!』



私と彼女の共同生活は
始まったばかり。
始まったばかりなのに、
もう彼女のペースにはまってる。







最終更新:2009年05月14日 02:40