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Side N
あやちゃんを見送った翌朝。

「彩乃様、お時間ですよ?」
「ん…。」
なかなか布団から出ないあたしを揺さぶってくる。

「彩乃様、起きてください。遅れますよ〜?」
この時、あたしは寝ぼけてて…。
「あやちゃ〜んwちゅぅ…w」

「ちょっと!彩乃様!何するんですか!!」

ビシッw

「ぅはw」
軽いビンタに目が覚めた。
「うにゃ…?」
目を開けると、そこに居たのはもちろんあやちゃんじゃなくて…。

「まったく、彩乃様。もしかして、毎朝、綾香ちゃんにそいうことされてたんですか?」
「あ、直ちゃん…。」
メイド長の直子さん。あやちゃんが付いてくれる前は、一番お世話になった人だ。

「彩乃様?聞いていますか?」
「えwあぁ、し、してないしてないw」
「本当ですかぁ?」
めちゃめちゃ疑いの目で見てくる直ちゃん。

うwwあんまりそんな目で見ないで下さい。ホントはしてるから視線が痛いw


「あ、あははw」
「ふぅー。まぁ、別に良いですけどね?綾香ちゃんが嫌がってないなら…。」
「ホンマに!?」
て、あ…。

「…。彩乃様…。」
うわ〜wすっごい冷ややかな目ぇ…。
「す、すみませんでした。」
思わず謝ってしまった…。

「綾香ちゃん可愛いですからね。泣かせるような事だけは絶っ対しないで下さいよ?大本家にいる全員を敵に回すと思って下さい。」
「もっ、もちろんです!」
それ、めっちゃこわww

「私先に行きますけど、早くなさらないと遅刻ですよ?」
「うわ、ホントだw…と待って直ちゃん。」
「はい?なんでしょう?」
部屋を出ようとする直ちゃんを呼び止める。

「あの、また今日からヨロシクお願いします。」
ぺこりと頭を下げてお願いする。
そんなあたしを見てきょとんとしている直ちゃん。
「ど、どうしたん?」

「あ〜、いえ。なんだか彩乃様、以前より雰囲気が柔らかくなられましたね?」
「え、そ〜お?」
「以前はもっと尖ってましたよw」
「あ〜、まぁ、そんな感じだったかも。」
きっと、変ったのは…。

「綾香ちゃんの影響ですか?」
少し意地悪そうに聞いてくる直ちゃん。
「ははwそうだと思う。」

あたしの答えに笑いながら出て行く直ちゃん。

あやちゃん今なにしとるかな?
あやちゃんは…とっくに起きとるねwそんで、家の手伝いでもしとるかな?


朝から温かい気持ちになって、学校へ向かう。
そういえば、ゆかちゃんに何も言っとらんかったな〜。
…ヤベェ。

学校に着いて、ゆかちゃんがあやちゃんの話をしてきて…。
「またあやちゃんと遊びたいんけど、今度のっちんち行っても良い?」
「あ、いや、その来ても良いけど、今あやちゃんおらんのよ。」
「え?どっか旅行?」
「や、その〜、先週ご両親が来て…。」
「ホンマに?」
「うん。で、あやちゃんご両親と住むことになってぇ…。」
「…いつから?」

ゆかちゃんの声のトーンが少し落ちた。マ、マズイ…。
「それが〜、昨日…だったりしてぇ〜…。」
「ほ〜ぉ。昨日ねぇ〜。」
「はい…。」
「…。のっち!」

「あいw」
「最っ低!!なんでもっとはよぅ教えてくれんかったんよ!ばか!あほ!おたんこなシュゥ!」
でぁwwご、ごめんなさいww
「むぅww。お見送り行きたかったぁ…。」
ぷくぅ〜と膨れてるゆかちゃん。

「ホンマにごめんね?」

「…あやちゃん、泣いとらんかった?」
「行く時は、泣いてなかったよ。」
っていうか、あたしの前で一回も泣かんかったな。
「そっか。また来るんじゃろ?」
「うん。『いってきます』言うとったけぇ。」
「ん。…じゃあ、我慢する。」

「帰ってきたら、一番に連絡するわw」
「もし忘れたら、あやちゃん。ゆかのメイドさんにするけぇ…。」
「え゛wそれは困るよぅw」
「じゃあ、忘れんようにしんさい。」

…こりゃ、何がなんでも連絡せねばw


家に帰ってあやちゃんが居ないのに、しばらく慣れなかったけど。
でも、やっぱりその内慣れてくるもので…。
だからといって、あやちゃんを思い出さない日はなかったけど。

「そういえば、最近気付いたんですけど。彩乃様、綾香ちゃんと同じ香りがするんですね?」
「え。あぁ、多分コレじゃない?」
あやちゃんから貰った小瓶を見せる。

「あ。それ綾香ちゃんが持ってた不思議な小瓶?」
「不思議?」
「だって、それ香りがなくならないんですよ?」
「あ、そうなん?へ〜。」

「良いですよね。その香り。私も好きなんですソレ…。」
ジッと小瓶を見る直ちゃん。
「だ、ダメじゃよ?これはあやちゃんとの約束なんけぇ。」
「w大丈夫ですよ。取ったりしませんから。」
「もう、直ちゃん人が悪いな〜。」

「ふふwでも、ずっと持っていたソレを渡すくらい、彩乃様は大切な人なんですね。」
「へへwあやちゃんはあたしにとって大切な子じゃけどね〜。」
嬉しくなってポロッと言ってしまった。

「あら。のろけですか?」
「いwそ、そういうわけじゃぁ…。」
「良いんですよ?むしろ嬉しいです。綾香ちゃんいなくなって塞込んじゃうと思っていましたから。そのくらいの方が安心します。」
もしかして、心配してくれてたのかなぁ?

「それじゃあ、私行きますね?お休みなさいませ。」
「うん。お休み。」

ぱたん。

…今まで、ずっとあやちゃんだったからな…、今度から他の人とも話すようにしよっと。
こんな風に考えられるようになったのも、きっとあやちゃんのお陰かな?

だから、キミを待ってる時間も悪くない。そう思える。

でも…できたら早めにお願いしますw


—つづく—







最終更新:2009年05月14日 03:04