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Side N
あれからもうすぐ二ヶ月が経とうとしている、そんな休みの朝。

ガチャ。

直ちゃんめずらしいな。いつも休みの日は起こしに来ないのに。

ベットの横まで来て立ち止まる。
「ん〜、直ちゃん、今日休みじゃろ?」
まだ起きたくないから、仰向けのまま腕で目を覆いながら声を掛ける。

……。
返事が無いと思って、直ちゃんを見ようと腕をどけようとしたところで。

ぐっとベットに重みが掛かってきて…。

突然キスされた…。

なw直ちゃん!!いったい何事?どうしちゃったの??
直ちゃん、ダメじゃよwあたしにはあやちゃんがぁww

ひとり頭の中で暴走ていると。

ふっと漂っている香りに気付く。

あ…、コレ…。

香りの主が離れるまで、そのまま唇をあずける。

そっと離れた唇を合図に、腕をどけてゆっくり目を開ける。
そこには、あたしの顔を覗きこんでいる彼女がいる。

「おはようございます。彩乃様。」
「お早う。それから…。」
彼女の柔らかい頬に触れる。

「お帰り…あやちゃん。」
「はぃ。ただいま、戻りましたw」

久しぶりのこの笑顔。なんか嬉しくて泣きそうw



それに一回じゃ足りない。
「あやちゃん、もっかいちゅぅ。」
「はい♪」

さっきより長めで、深めのキス。
やばい…。

でも、また離れていく唇。

ん?それにしても、帰ってくるの早すぎない?まだ二ヶ月も経ってないんだよ?
ていうか。
「いつ帰ってきたん?」
体を起こしてベットに座っているあやちゃんに訊ねる。
「昨日の夜にこちらに着きましたよ?」
「えw、なんで顔出してくれんかったん?」
「少し遅くなってしまったので。」

「でも、父さん達は知ってたの?」
「はい。旦那様も奥様もご存知です。メイド長さんにも昨晩ちょうどお会いしましたし。」
「うわぁ。教えて欲しかったわ〜。」
「あ、私が内緒にして下さいってお願いしたんです。」
「なんで?」
「彩乃様をビックリさせたくて…。」

「そりゃ、もービックリしたよw直ちゃんにキスされたかと思ったけぇw」
「でも、彩乃様、嫌がってなかったです…。」
ぷいっとそっぽを向くあやちゃん。
「だ、だって、いきなりだしぃ。そ、それに途中であやちゃんて気付いたからぁ。」

「本当ですか?」
「ホントホント!じゃなかったら、さすがに押し戻すってw」
「…。じゃあ、良いですw」
また笑顔に戻るあやちゃん。

もしかして、今のヤキモチ妬いてくれたん?
うっわwかぁわいぃw



「あぁ、それから、いつまでこっちにおるん?」
「いつまで?」
「うん。また戻るんじゃろ?西脇のお家。」
「ああ。それでしたら、来月に。」
「え?そんなにこっちに居れるん?」

「?私、また大本家でお世話になるんですよ?」

……。お世話になる?それってここに住むってコトじゃよね?
「…。えwww!マジで!?」
「はい。…?」

「なんで?」
「ぁ。私の家族はとっても良いんですよ?弟と妹がいて、二人ともとってもいい子達ですし。優しくて面白くて、素敵な家族なんです。」

少し照れたような仕草をして続けるあやちゃん。
「なんですけど、どうも私が彩乃様のお話しする時、一番幸せそうな顔してたみたいでw
それで、家族で話し合った結果、基本、大本家で暮らすことになりまして。月に一度家に帰ることに決まりました♪」

なにそのさらっと嬉しすぎる理由w
「…決まりました♪って、じゃあ、またあやちゃんがあたしのメイドさんになってくれるの?」
「はい、そうですよ?」

うわぁ、どうしよう?嬉しくてもう、何が何だかw
あ、そうだ。忘れないうちにゆかちゃんに連絡せんと。

「どなたにお電話ですか?」
「ゆかちゃんじゃよ?あやちゃんが居なくなるとき何も言わんかったけぇ。怒られちゃってぇ。
帰ってきた時連絡せんかったら、あやちゃんゆかちゃんのメイドにする!って言われちゃったからさw」

「ふふ。私もゆかちゃんの声聞きたいです。」
「即効で、あやちゃんに代われって言われそぅ。」



ゆかちゃんに電話を掛ける。
『…朝っぱらからなん?』
うわw相変わらず冷た!
「いや、あやちゃん帰って来たけぇ…。」
『!ホンマに!』
「うん。」
「ゆかちゃん、ただいまです♪」
あやちゃんも携帯に顔を近づけて話す。

『わ〜、ホンマじゃぁ。めっちゃ癒されるぅ。』
「何も言わずにすみませんでしたぁ…。」
『あやちゃんは謝らんでもええんよ〜。そこにいるのっちが悪いんけ。』
「でも、ほら!ちゃんと忘れずに連絡してるし!」
『うんwありがと。…あ、ねぇ、話したら会いたくなったけぇ、今日遊び行ってもぇえ?』
「あたしは良いけど。あやちゃんは?」
部屋の片付けとか…。

「う〜…。ゆかちゃんにもお会いしたいですが、彩乃様とのお約束も…。」
『約束?』
約束って、ちょっと、あやちゃん?
「彩乃様から『H…』」
「だぁwww」
『な、なんよ?急にぃ。』
「あやちゃん!しぃwしぃw」
「『H』のこと言っちゃだめなんですか?」
あやちゃんww
『『H』じゃと?』

「なな!何でもないけぇ!今のは気にしないで!」
『今から行くけぇ!あやちゃんに触るな!』
「や、あのっ…。」
てか、『H』の発信元ゆかちゃんでしょ?

『のっち!あやちゃんトコ行くよ!はよ準備しんさい!!』
『ゆかお嬢様〜。』
『えーぃ、離れんさい!あやちゃんトコ行くのぉ!』
『えぇ〜、もうちょっと…。』
『にゃ!もー、ばかー!』
『イダw』

あ、殴られた…。
電話の向こうでわーわー言いながら、なんか楽しそう…。



電話を切るとあやちゃんが楽しそうな顔で
「相変わらず、執事さんと仲が宜しいみたいですね?」
「そ〜じゃねぇ。」
「…また、約束お預けですか?」
また、そんな可愛い顔で聞かんでよぅ。
「ぅ〜んwゆかちゃん達帰ったらにしよっか?」
「では、そうしましょう♪」

この後、ゆかちゃんたちが来て、なぜか説教をくらってしまったあたし…。
なんもしてないのにぃ〜。トホホ…。

Side A
私のお家も大本家も、私にとってどちらも大切な家族です。
なんだか幸せが二倍になったみたいで、とても嬉しいです。

でも、やっぱり一番嬉しいのは、彩乃様が「お帰り」って言って下さることなんです。

私の帰る場所は彩乃様の所ですから♪

それと、ちゃんと約束守って下さいね?彩乃様?


<のっちのメイドさん>
〜帰る場所〜fin







最終更新:2009年05月14日 03:07