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のっちはゆかの大切な友達。
…そう、トモダチ。

相変わらず二人の関係は曖昧なまま、ぬるま湯にいつまでも浸かり続けてる。

だからこのままでいれると思ってた。
いつかは変わらなきゃいけない事に目を背けてた。
それでいいと思ってた。



「のっ…」
大学でのっちの後ろ姿を見つけて声をかけようとしたら。

「のっちー、ねぇねぇ今日暇ー?」
「あ、今日はちょっと…」
「もぉーっ!いっつも“ちょっと”とか“うーん”とかばっかりじゃん!」
「あー…ごめん…」
「今日くらいいいでしょ?一緒にどっか行こうよー」

…誰?友達?
なんであんなに、のっちにベタベタしてるの?
のっち困った顔してるのに、なんで気付かないの?



「ごめん、ほんとに今日…!?」
のっちが驚いた顔をしてゆかを見た。
ゆかが二人の間に割り込んだからだ。
「なにあんた。今のっちと話してんだけど割り込まないでくれる?」
「…行こ」
「ちょっ、まだ話終わってないんだけどさぁ!」
引き下がらない彼女がゆかの腕を掴む前に、のっちがゆかを背中に逃がしてくれた。
「…本当にごめん。この子と約束してるから」
「…っ、だったらはっきり言えばいいじゃん!馬鹿にしないでよ!!」

バチン!!

その音に思わず目を閉じる。
それからパタパタと走り去る足音が聞こえた。

「……のっち…?」
「つっ……ごめんね、ゆかちゃん。助けてくれてありがとう」
のっちの頬が真っ赤に染まっていた。
八の字眉が痛みに歪んでいる。
「ゆかこそ助けてくれてありがと…大丈夫…?」
「うん」
「さっきの子、友達?」
「ううん。ここ一ヶ月くらいかな急に声かけられてさ…正直困ってたんよ。だから助かったよ、ありがとうゆかちゃん」
「……」

そうなんだ。何でもなかったんだ。

そう思ったら安心できた。




…安心?

なんで?
別にゆかはのっちの…。


「ゆかちゃん、帰ろ?」
「……」
「…ゆかちゃん?」
目の前にのっちの顔が迫っていて、ゆかはハッと我に返った。
「な、なんでもないけぇ…帰ろう?」
「うん」


ゆかは、のっちの友達で。
のっちは、ゆかの友達。

友達以上だけど、恋人未満で。曖昧な関係。

だけど。

本当にこのままでいていいのかな?
本当にこのままでいいの?
さっきのあれは、本当に友達としてなの?

…トモダチ、でいいの?


ゆかは本当に、それを望んでるのかな…。


  • 続く-







最終更新:2009年05月14日 03:26