「ゆかの“今とこれから”を、、もらって下さい」
そう小さな、本当に蚊の鳴くような小さな声で呟いて、ゆかちゃんは隠れるように再び布団を被ってしまった。
抱きしめていた腕からするりと抜け出す瞬間、わずかに見えた頬はリンゴみたいに真っ赤だった。
、、反則じゃろ。。
可愛いにもほどがある。
「そっち行っていい?」
こんもり盛り上がった布団からは返事はない。
だけど、単なる照れ隠しなんてことはもう分かりきってる。
「ってか、行くけど」
無防備な布団の端を持ち上げて、無理矢理入り込む。
後ろからから抱きしめると、わずかな抵抗が感じられた。
「ばかっ、、風邪うつる、、」
「大丈夫だよ、ばかは風邪ひかんから」
さらさらの髪の毛を鼻先でかき分けて、真っ赤な耳に唇を寄せて囁く。
「それとも、うつるようなことする?」
「・・・っ、し、しにゃいっ!!」
「あー、もう可愛すぎ!」
ちゅ
ほんのり紅いほっぺたに触れるだけの軽いキス。
「今日はここまで。続きは、また今度、ね?」
「、、、ばかっ」
なんて言いながらも、身体の向きを変えてしがみつくように抱きついてきたゆかちゃん。
もう絶対、離してなんかやらない。
ねぇ、ゆかちゃん?
ゆかちゃんは汚れてなんかないよ?
初めて会った時からゆかちゃんはキラキラ輝いていて、あの頃、うまく話せなかったのは、人見知りなせいだけじゃなかったんだ。
こうして、一番近くにいれる今だって、目が眩むくらいキラキラしてる。
そばにいて、ドキドキするのも、ほっと落ち着くのも、ゆかちゃんだけ。
「のっち、、」
「うん?」
「、、こっちにもほしい」
なんて上目遣いでぺろりと自分の唇を舐める彼女に今度はわたしの方が真っ赤になった。
ねぇ、ゆかちゃん。
ずっと、そばにいる。もう迷ったりしない。
何があってもひたすら、ゆかちゃんだけを想い続けるよ。
そっと目を閉じた彼女の唇にキスを落として、もう一度抱きしめる。
ずっと辿り着きたかった場所に、やっと辿り着けた気がした。
最終更新:2009年05月14日 03:48