SIDE-N
「ねぇ、ゆかちゃん」
「なにー?」
同じベッドの中。
あたしは無防備な姿をして隣で寝ているゆかちゃんの髪を指で梳かしていた。
「ゆかちゃんって、のっちのことどう思ってる?」
「どう思ってるって…ヘタレで変態?」
「え!?」
「ひひっ、冗談だよ!」
悪戯っ子みたいな目をしてゆかちゃんはあたしに微笑みかける。
かわいいよ。
かわいいとは思うけど、違うんだ。
あ〜ちゃんに抱く感情とゆかちゃんに抱く感情は。
『何て感情なのかなんて知らなくていいよ。』
あ〜ちゃんにそう言われた。
『やってはいけない』と言われて『してしまう』のが人間の性なら、
『知らなくていい』と言われて『知りたくなる』のは仕方ないことでしょ?
「いやそういうことじゃなくて…ゆかちゃんとのっち、付き合ってるじゃん。」
「そだね」
「なんで…今まで付き合ってくれてるのかなって思って。
ゆかちゃんは昔ののっちを知ってるのにさ。」
「何のっち…ゆかに『好き』って言わせたいの?」
わざとらしく口に手をあてて驚くふりをするゆかちゃんは、
きっとあたしに気を遣ってくれている。
「ふふっ、珍しいね。…でもまぁ、昔のことは昔のことでしょ。
ゆかはのっちが好きだから付き合ってるんだよ。」
「好きだから…か」
「そうだよ。好きだから、のっちの傍にずっといたい。
のっちとこうしてお喋りしたり、一緒にご飯食べたり、キスしたり…エッチなことだってしたい。
だから付き合ってる。」
さっきとは違って真剣な顔をして話すゆかちゃん。
一方であたしは動揺していた。
ゆかちゃんには感謝してる。
だけど、ゆかちゃんが言う『好き』って感情がそういう感情なら。
「って、恥ずかしいこと言わせないでよ!!なんでそんなこと聞くわけ?」
「いや…ちょっと、ね」
「何それー?のっちはさ、ゆかのこと…好きじゃないの?」
あたしはあ〜ちゃんが。
「好き、だよ。」
つづく
最終更新:2009年05月23日 17:56