いやー大変だったね。内科検診とかさぁ。
そんなこんなで帰宅の時間。ゆかちゃんとはいつもの交差点で別れた。見慣れた町並みを無言で歩く。なんだか気まずい。
体が入れ替わって今日で二日目。ゆかちゃんが言うには、明日の夜中には元に戻るらしい。
「あ~ちゃん、ちょっと家寄っても良ぇ?」
「どしたん?」
「PSP取りに行く」
そろそろ我慢の限界だ。続きがやりたくて仕方無いんよ。自他共に認めるゲームオタクだからね。
あ~ちゃんは大きな溜め息を付いた。呆れてる。けど諦めてる様にも見える。
「そろそろ卒業しんさいよ」
「うーん、無理」
「じゃろうね」
また大きな溜め息。そんな溜め息ばっか付いてたら幸せが逃げて行くよ。幸薄いのっちが言えたもんじゃないけど。
家まで少しだけ早足で向かった。
◆A-side◆
のっちのゲーム依存症にはどうしたものか。頭が痛くなる。将来ダメな大人になりそうで恐いよ。今もちょっとアレだけど。
昨日訪れたばかりののっちの部屋。昨日は混乱してたから気が付かなかったけど、本棚に新しい漫画が増えていた。
のっちはゲームの充電器やらをバックに詰め込んでいる。なんだか急に表情が生き生きしてきた気がする。そんなのっちに、ねぇねぇと声を掛けた。
「この漫画、面白いん?」
そう尋ねる。本棚から取り出して表紙を見る。のっちにしては珍しい少女漫画みたいな絵。
「それかー、あ~ちゃんは苦手だと思うなー」
なんでよ。そんなん読んでみんと分からんじゃろが。少女漫画は良く読むし好きだよ。
「そーとーエッチだよ?」
その言葉に、返す言葉が見当たらない。最近の少女漫画はエッチなのが多いけぇね。エッチな漫画は読まないよ。てゆーか読めない。恥ずかしくて。
「あ~ちゃんは、お子様だもんね~」
ニヤニヤ笑いながら言うのっち。イッラーとする。
「のっちはあ~ちゃんと違って大人だもん」
勝ち誇った様な顔。殴りたい!自分の顔でなかったら今頃絶対殴っとるけぇね!
「のっちだってお子様じゃろ、ゲームばっかしよってからに」
「最近のゲームは大人じゃないと理解出来んくらい深いんよ~」
しみじみ語るのっち。オッサンみたい。
「こんくらい、あ~ちゃん平気じゃもん」
そう見栄を張ってパラパラと漫画の中身を見た。
うわ…。あら、あらら…。
えっほんまに?うっそー。
あちゃ~…ダメダメダメダメ…!
キャーキャー!なんて事しとるんよー!!
「あ~ちゃん、無理せんで良ぇから…」
ハッと我に返った。のっちは苦笑い。どうやら漫画を見ながら百面相してたみたい。だって凄い内容なんだもん。顔から火が出そうなくらい恥かしい。
「のっちの変態!」
「何が」
「こんなん読むなんて、変態としか思えんよ!」
そう言うと、のっちはムッとした。怒ったかな?でもなんか言わんと気が済まん。
「それはストーリーが面白いんよ、そんなシーンばっか気にしとるあ~ちゃんの方がよっぽど変態じゃろ」
うぐ…。確かにそうだ。そんなシーンが気になるんだよ。
本当はのっちに負けんくらい変態なのかも。そう考えたらヘコんできた。どうしよう変態だ…あ~ちゃん変態だったんだ…。
「でものっちは、あ~ちゃんがエッチだと嬉しいよ」
のっちが爽やかな笑顔で言う。あ~ちゃんは頭に?を浮かべた。
「だってお互いエッチな方が大胆なプレイが出来ぐぼおっ!」
最後まで言う前にクッションを投げ付けてやった。見事に命中。のっち死す。
やっぱりアンタは最強の変態だ。勝てる気がせんよ。
◆9:End◆
最終更新:2008年10月10日 18:24