Side K
デパートに入って流れてきた店内放送。
これはつかえる…。イヒヒヒw
三人で子供服を扱っている場所まで来ると、あ〜ちゃんの目が輝きだす。
「んww、わっかいぃ〜。見て見て?チョーちっちゃいよ?」
あ〜ちゃんが手に取ったのは靴下。
足の裏のところには滑り止めがついてるの。
子供服って、サイズがちっちゃいだけでなんか可愛いよね?
「あ!ゆかちゃんコレとか可愛いよ?」
「あ〜ちゃんコレは?」
のっちも気になるのを手に持ってくる。
「えー、それ地味じゃろ〜。」
「ええー?可愛いじゃん。このヒラヒラとかさぁ。」
「ヒラヒラしとれば良いってもんじゃないんよ。今日はもっとぱぁっとしたヤツにするの。はい出直し〜。」
ええwとぶつぶつ言いながら探しにいくのっち。
その間にもしゃっしゃしゃっしゃと私に服を当てて、すごく楽しそうなあ〜ちゃん。
そんな感じでワイワイと三人で楽しんでいると。
「ゆかちゃんコレ絶対似合うわ〜。てか可愛い…。」
あ〜ちゃんの視線がすぅーっとのっちへ向けられる。
「ゆかちゃんにコレ着せたいな〜。」
あ〜ちゃんのっちにおねだりモード。
「え、それって…のっちがお買い上げ、ってこと?」
「にひぃ♪」
うわぁ。あの笑顔でお願いされたら断れないじゃろw
「…いくら?」
「はい。」
そう言ってのっちに値札を見せるあ〜ちゃん。
「うぐw」
そして固まるのっち。
子供服って意外とするんよね〜。
一人暮らしののっちにはイタイだろう。
「だめぇ?」
ちょっとしゅんとするあ〜ちゃん。
「ややw何とかします。」
「ホンマに?」
ぱぁっと表情が変わる。
そしてまたデレデレのっち。
Side N
ちょっとキツイけど、あ〜ちゃんの笑顔を見るとなんとかしたくなるのがのっちでありまして…。
のちパパは頑張ります!
ウキウキでレジへと向かうあ〜ちゃん。
さきにゆかちゃんとレジを抜けて待っていると、クイクイとゆかちゃんに袖を引っ張られる。
「ん?」
「ゆか、おトイレ行ってくりゅ。」
「あ、もうちょっとでお会計終るし、待っとったら?」
「ん、大丈夫。ひとりで行けりゅけぇ。」
「そお?じゃあ、いってらっしゃい。」
袋を手にあ〜ちゃんもレジを抜けてくる。
「あれ?ゆかちゃんは?」
「おトイレ行ってくるって。」
「一人で行かせたん?」
「うん…。」
なぜかあ〜ちゃんの目が恐い。
「何で一緒について行かんかったん?ちっちゃい子一人で危ないじゃろ?」
「ぃ、や。ゆかちゃんが大丈夫言うたけぇ〜。」
「あほぅ!どっかの変態に連れ去られたらどうするんよ!」
「それって、あ〜ちy…じゃぁなくてwロリだよロリ!」
ギロッと睨まれて慌てて誤魔化す。
こ、こわw
だって、ちっちゃい子見てる時のあ〜ちゃんの発言、たまに危ないでしょ?
なんて言えませんけどぉw
店内放送が流れる
『迷子のお知らせです。4歳の大本有香ちゃんがお待ちです。』
へぇ〜、なんかすごい名前wゆかちゃんがあたしの苗字とかw
あ〜ちゃんも放送を聞いている。
「なんか…紛らわしぃの。」
「ホンマじゃね?」
そして、続けて流れてきた名前。
『…大本のちお様…。』
ぶww
ちょっとぉww
『大本綾香様。』
ぃいwww?
「!!」
ビックリしてあ〜ちゃんと顔を見合わせる。
「「ゆかちゃん!」」
二人して、お互いを指差して、ことの原因であろう名前を叫ぶ。
『…お子様預かり所までおこし下さい。』
……。
「…あの名前。絶対ゆかちゃんの仕業じゃね。」
「もう、ゆかちゃんたら…。」
右手で頭を抱えるあ〜ちゃん。
「大本…嫌?」
チラッとあたしの顔を見るあ〜ちゃん。
「いwや!」
はっきり言われちゃったよぅ。そんなに嫌わなくてもぉ…。
「なぁにイジケとるん。ほら、ゆかちゃん迎え行こ!」
あたしがイジイジしてなかなか動かないでいると…。
「ほれ〜、行くよ?…のちパパじゃろ?」
「へ?」
顔は他所へ向けながら、手を出してくるあ〜ちゃん。しかも、ぱぱってぇ…。
し、幸せすぐるw
「行くの行かんの?はよせんと置いてくよ!」
「い!行く行く!」
歩き出そうとするあ〜ちゃんの手を摑まえて、並んで歩く。
あ〜ちゃんの横顔を見ると、いつもの可愛い耳が赤くなってる。
照れとるwかわいぃw
「あ〜ちゃん可愛ぃw」
思ったことをそのまま言ったら
「のっちのばーかぁ。」
ははw
相変わらずでw
でも、なんていうかこの反応にも慣れちゃって。
勝手に頭の中で良いように変換しちゃうようになったんよ。
ちなみに今のは
『のっちありがとぅ…。』
に変換されている…。もう、どうにもなりませんw
子供預かり所まで行くと、やっぱりそこにはゆかちゃんが居て。
あたしたちを見つけるなり、小さな歩幅で駆け寄ってくる。
「あ〜ママ!!にょちパパ!!」
ぴょんと抱きついてきて、なんとも可愛い…かったのに。
「にょっちはしゃべらんで。」
第一声がソレ。
何でぇ〜?と思ったと同時にぼそっと。
「しゃべると、パパじゃなくなりゅ。」
あ、そういうことね。見た目だけならまぁなんとか?パパで通せる?
あたしはゆかちゃんを抱き上げて、あ〜ちゃんとカウンターのお姉さんの所へついて行く。
「ありがとうございました。ゆかちゃんがお世話になりまして。」
あたしも一緒に頭をペコリとさせる。
「いぇ。とんでもありません。ゆかちゃん良かったね?パパとママ来てくれて。」
ゆかちゃんに話しかけるお姉さんに「うん!」とニコニコ返事をするゆかちゃん。
「ふふwやっぱり三人だと画になりますね?ゆかちゃん今度は迷子にならないでね?」
今度は、ゆかちゃんの頭をぽんぽんと撫でているお姉さん。
その幸せそうな表情がちょっとだけあ〜ちゃんに似ていて、思わずニヤケる。
「はぁ〜いw」
手を上げながら元気良く返事をするゆかちゃん。
「ゆかちゃんまたね〜。」と言いながらあたしたちを見送ってくれる。
きっとお姉さんも子供好きなのかな。と一人で思っていると。
「もー、ゆかちゃん。わざとじゃろぅ?」
「ィヒw」
なんとも悪戯な笑いだけど、憎めないんだよね〜これが。
「今日くらいぃいじゃろぉ?あ〜ママぁ。」
「あたしはなんか嬉しかったw」
「にょっちは、聞かんでもわかりゅぅ。」
あ、やっぱ?
ん〜と唸っているあ〜ちゃん。
「…やじゃないけど…。」
「けりょ?」
「恥ずかしいじゃん…。」
また耳が赤くなっていくあ〜ちゃん。
むはw
なになに?あ〜ちゃん可愛過ぎるんですけど!
ぎゅってしたいけどゆかちゃん抱っこしてて出来ないぃ。
そのゆかちゃんが、あ〜ちゃんの方へ身を乗り出して
「あ〜ママ抱っこぉ。」
「ん。」
まだ、恥ずかしい感じで、あたしと目を合わせず両手を出してくるあ〜ちゃん。
ゆかちゃんはするりとあたしの腕から抜けて、あ〜ちゃんの腕に収まる。
そしてゆかちゃんをぎゅっと抱きしめるあ〜ちゃんに、ゆかちゃんも抱きついて。
あたしの方を見たかと思ったら、チロッと舌を覗かせた。
ゆかちゃん…。
この時ようやく。
ゆかちゃんにすべて計算されていたのだと悟ったのっちでありました…。
でも、素敵な計算過ぎて許せちゃいます。
てか、あ〜ちゃん可愛いから、もっとして欲しいw
のちおでも何でもw
—つづく—
最終更新:2009年05月23日 18:05