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SIDE-K


最近のっちがゆかに触れようとしない。
求めれば確かに応えてくれる。
だけどその行為は以前より作業的。
まさか。
いや、まさかね。
でも一応。


「のっち」
「ん?何?」
「浮気、したことある?」


のっちは一度ゆかをチラ見して、ゲームに再び目を戻す。
その表情は変わらない。
得意のポーカーフェイス、か。


「ゆかちゃん…昔ののっち知ってるんでしょ?」
「知ってるよ」
「だったら…したことないと思う?」


少しだけ口角を上げて、でもその目に笑みはない。


「…思わない。」
「でしょ?昔ののっちにとったら、そんなの日常茶飯事…」
「でもさ。」


のっちの言葉を遮る。
まだのっちはゲームから目を離さない。




「その浮気に、気持ちはあった?」
「…気持ちって?」
「ゆかはさ、身体の関係を持つことだけなら別に浮気って思わないの。
気持ちがこっちにさえあれば、浮気じゃない。」
「ゆかちゃんって…結構寛大。」
「で、気持ちはあったの?」
「え…うーん。ない、な。正直言うと。つくづく終わってるね、自分。」
「そーだね。」
「ちょっとそこはフォローしてよ!…てかさ、何でこんなこと聞くの?もしかして昔の浮気相手にヤキモチ?」
「ふふっ、それもあるけど…本当に聞きたいことはね」


のっちの手からゲームを奪う。
胡座をかいているのっちの上に座り込み、首に腕をまわす。
必然的にのっちはゆかと目を合わせる形になる。



「浮気、してる?」


「…してないよ」



のっちの目がほんの少し泳いだのを見逃さなかった。






まさか、が当たった。
相手が気になったけど、それ以上に。
ゆかの中の何かが崩れそうになる。
今のゆかには支えが必要。


あ〜ちゃん。
またあ〜ちゃんの優しさに、甘えてもいい?
あ〜ちゃんにとって、それが残酷なことだって知っていても。
そして。
あ〜ちゃんの気持ちを知っていても。


全てを知っていて、知らないフリをする。
最低なのは、ゆかだよ。






つづく








最終更新:2009年05月25日 20:44