あの時、きっとあたしが守りたかったのは、Perfumeのあ〜ちゃんとしての、無難で安全な場所。
スタッフがいて、メンバーがいて、毎日夢のような舞台が用意されている。
売れてからは、その居心地の良さに味をしめて、あたしは安全な方にしか足を進めなくなった。
それには三人の絶対的な信頼関係が不可欠で。
波風は立てない様に、と、そんなことばかり考えて。
今になって分かる。
大事なのはそんなことじゃなかった。
自分に嘘をつくことが、こんなに自分自身を切り裂く様な行為だとは知らなかった。
気付くのは、いつも手遅れになってから。
実際あたしは今、自分に正直になれるなら、全て捨ててしまってもかまわないと思っている。
でも、それはこうなってから、やっと思えることであって。
時間を遡り、何度同じ状況に置かれても、あたしはきっと同じ選択をしただろう。
今まで三人でやってきたことや、今現在置かれている立場。
全てを考えれば、なにもかもぶち壊してしまうかも知れない選択肢は、とても選べない。
選べなかった。
結果守ったのは、Perfumeとしての充実した毎日。
失ったのは、西脇綾香としての、大切な気持ちの行き着く場所と、そこにあったはずの幸せ。
そして得たのは、色を無くしていく世界と、絶望的な後悔。
止めどなく流れる涙と、眠れない夜。
結局あたしは、弱虫なだけだ。
全てをぶつける勇気もなければ、全てを失う覚悟もない。
あたしは、自分を犠牲に平穏を守った。なんて…
そんなつまらない優越を、抱いて納得できるほど大人でもない。
ねぇ、のっち。
どうしよう。
信じられないくらい辛い。
毎日少しずつ色を無くして行くの。
すごく怖いよ。
毎日帰りの道は、涙で滲んで見えなくなるの。
あたしが助けを求めたいのは、助けを求めることの許されない、あなた。
最終更新:2009年05月25日 21:10