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Side N


久々のオフ。
よく晴れた昼下がり、
気だるい脱力感に支配されるがまま肢体を投げ出すだらしない私。
それとは逆に、凛とした空気を纏うあなた。

じっとその綺麗な横顔を見つめながら、昨夜の情事をぼんやり頭に描く。

細くて長いその指先がせわしなく動き文字を綴っている。
それは私に触れるのとはまるで違う強さでボタンを押している。


メールまめだよなぁ。


全てにおいて真逆で、でも根っこは似てる私達。


N『ゆかちゃんてさぁ〜。』
K『ん〜?』

携帯の画面を見たままの彼女は見とれてしまうくらい本当に綺麗で、私は言葉を続けるのも忘れてしまう。

N『……。』
K『……、なにぃ〜?』
甘くフワフワした音が耳に心地良く響く。

N『なんでもない。』

携帯をパタン、と閉じこちらに視線を向け微笑みをくれる。

K『変なの。』
言いながら、誰かにメールを打っていたその手で私の髪を撫でる。

独占していたくて、頬に下りて来たそれに頬ずりするように顔を擦り寄らせてみる。

K『甘えてるの?』
N『……多分。』
K『多分、て。』

ケラケラ笑ってるけどあなたの瞳は優しい。


N『ゆかちゃんて、モテるよね。』
K『急にどしたん?』
N『急かなぁ。』
K『急だよ。』

私を撫でていた手が戸惑いで止まった。

N『男女問わず人気じゃん。』

優しい瞳に自分でも思いがけない言葉が溢れてくる。

もしかしたら私は不安を抱いているのかも知れない。

私だけにどっぷり溺れてはくれない彼女の凛とした強さが好きだけど、
不安を抱いてる自分もいたんだね。

N『……ゆかちゃんは綺麗だよね。』

彼女の優しい瞳が少し揺れて見えた。


(続く)







最終更新:2009年05月25日 21:15