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絶望的な運命が ある日恋に変わる

自分の気持ちに気付いてしまった。
まだ心臓がバクバクいってる。
もう授業は始まってるのに。

のっちは、頬杖をついて今にも寝ちゃいそうな顔つき。
あたしはそっと見つめる。
のっちを見ると、心臓の鼓動が早くなる。
授業どころじゃなくなっちゃう。

あっ・・・のっちと目が合っちゃった。
のっちは眠そうな顔して、ニュって笑ってくれた。
のっちと目が合うだけで、心臓が止まりそうになる。

この気持ちどうしたらいいの?
早く、消さなきゃ・・・。
早く、捨てなきゃ・・・。
消さなきゃ、捨てなきゃ、ダメ、なのに・・・。


お昼になると、のっちは昼ごはんを買いに購買に行っちゃった。
あたしは、いつも一緒にごはんを食べる子達といる事になった。
ほんとはのっちといたいけど、他の友達との付き合いも大事にしなきゃならない。

あっ、のっちが1年生たちに捕まってる。
きっとのっちのファンの子たち。
心なしかのっちは嬉しそう。
なんだか、それが嫌だった。

また、のっちと目が合った。
また、心臓が止まりそうになった。
でもこれはさっきとは違う痛み。
きっとあたしは1年生たちに嫉妬してるんだ。

嫉妬なんて、かっこ悪いし、みっともない。
のっちのニヤケた顔は見たくない。
あたしはその場を離れた。


「あ〜ちゃん・・・なんでさっき助けてくれなかったん?」
さっきって、もしかしてお昼休み?
「あぁ、あれ助けてほしかったん?だってのっちニヤニヤしてたよ?」
ちょっと、冷たく言っちゃった。
「ウッソ!?ニヤニヤなんてしてないよー。1年生の質問攻め大変だったんだから・・・」
ふーん、どうせその質問の返事は「はぁ・・・」ばっか、なんじゃろ?
「そうなん?だって、さっき人気者って言ったら嬉しそうにしてたじゃろ」

「別に好きでもない人に好かれても、疲れるだけだったよ・・・」

心臓が止まるかと思った。
痛い所を突かれた。
のっちはこの言葉は何気なく言ったと思う。
でもあたしに向かって言ってる気がした。

そうだよね・・・。
好きでもない人に好かれても、疲れるだけだよね・・・。
ごめんね、のっち。
好きになっちゃって。
のっちはあたしの事は友達として見てるんだもんね。
ごめんね、勝手に好きになっちゃって。
大丈夫、のっちには迷惑かけないから。
大丈夫、この気持ちは絶対に言わないから。

「まー、この子は一丁前にそんな口利いて。あ〜ちゃんは、そんな子に育てた憶えはないけw」
あたしは自分の気持ちを隠すために、のっちを茶化した。

そして、あたしのとっておきの場所にのっちを連れて行った。
連れて行く時に、のっちの手を握った。
自分の気持ちを悟られないように、さりげなく握った。

連れて行った場所は、屋上。
1年の時にこっそり合鍵を作ったから、自由に出入りできる。
ここはいつもひとりで来ていた。
他の友達には内緒にしていた。

でも、のっちだけには教えたかった。
てか、のっちと一緒に来たかった。
それはここが唯一、校内でのっちとふたりっきりでいれる場所だと思ったから。


「あたしもそれ欲しい。合鍵作っていい?」
のっちは屋上を気に入ってくれたみたい。
「ダメー!」
「えー、何で?いいじゃろ〜」
だって、あたしはのっちとふたりでいたいんだもん。

「・・・来たかったら、あ〜ちゃんと、一緒に来ればいいじゃろ?」
ヤバッ・・・心の声が口から漏れちゃった。
「一緒に?」
ハノ字眉になってるのっち。
「うん。・・・一緒は嫌なん?」
嫌って言われたら、どうしよ・・・。

「ぜ、全然!むしろ一緒のほうが良い、みたいな?」
のっちはあの大きな瞳をさらに大きくしてケロケロ声で答えてくれた。
あたしはそれがすごく嬉しくて、嬉しくて、でもそれを知られたくなくて、のっちの髪の毛をワシャワシャと撫でて誤魔化した。

それから5時間目中ずっと屋上で過ごした。
のっちと一緒にいる。
ただ、それだけで嬉しかった。
のっちの隣にいるだけで、嬉しかった。

のっちと目が合うだけで、ドキドキする。
肩と肩が触れるだけで、ドキドキする。
指先が触れるだけで、ドキドキする。

このドキドキが、恋じゃないとしたら、あたしは病気なのかな・・・。
やっぱり、恋なのかな・・・。
やっぱり、恋なんだよね・・・。

のっち・・・あたし、あなたに恋してていいのかな?







最終更新:2009年05月25日 21:23