—…別れてくれる?
さも、当たり前のように投げかけられた言葉に、案外冷静なリアクションが出てきた。
—…ザァー
雨も止むことを忘れたかのように、、、
「どうして、そんなこと言うんですか?」
いつもは噛むくせに、しっかりと出てくる言葉に、むしろ動揺してるんだと気づいた。
「樫野が好きだから」
切なげに少し眉をひそめた彼に怒鳴りつけてやりたい。
「ゆかちゃんが好きなのは、、、私…」
それでも、消えそうな細い声しか出ない自分に嫌気がする。
「本当に?」
「、、本当に」
「本当に、そうなの?」
「ゆかちゃんは、、、好きって言ってくれてる」
「樫野とはヤった?」
「はぁ?」
—…ザァー
「まだ?」
「関係ないですよ」
「好きじゃないから、ヤらせないんじゃない?」
—…ザァー
「…」
「まぁ、良いや」
—…ザァー
「樫野は貰うから」
—…ザァー
「…宣戦、、布告、?」
—…ザァー
「まぁ、そんなとこ」
—…ザァー
うるさい、、、
こいつも、
雨も、
…うるさい
side K
のっちがおかしい…
委員会が終わり、教室に戻ると、のっちは机に座ってうなだれていた。
何度声をかけても気付かず、私が肩に手を置くとビクッと体を強ばらせて。
「どしたん?」
「えっ、あっ、ああ…何でも無いよ」
嘘だって、すぐに気づいた。
上手く笑ったつもりでしょ?
でもね、眉はハの字になったままで…
そのハの字眉の意味が解らないほど、鈍くもないの。
のっちがおかしい…
何かあったなら、言って欲しい…
◇◆◇◆◇◆◇
「雨ばっかだね、最近」
「うん…」
一つの傘に肩を寄せ合って、相合い傘もわるくないけど…繋ぐはずの手は塞がってしまった。
「ゆかちゃんは雨嫌い?」
「んー…好きではないかなぁ…。」
「のっちも好きじゃないかなぁ…」
「相合い傘は嬉しいけど…手、繋げんもん…。」
そっと、傘を持ってくれてるのっちの手に、自分のそれを重ねた。
「…ゆかちゃん?」
「なに?」
「今日、本当に行って良いん?」
「なんでそんなこと聞くの?」
のっちがおかしい…
何かあったなら、言って欲しい…
私には、聞けるほどの勇気が無いから。
「来るの、嫌?」
「!違っ!違うよ!!」
「じゃあ、来てよ」
「…」
「来て、、」
「…ん」
あんなに嬉しそうに笑ってたのに、今はちっとも嬉しそうじゃない。
のっちがおかしい…。
最終更新:2009年05月25日 21:26