帰り道の途中、公園に寄った。
さっきまで流れていた涙は、どうやら止まってくれたみたいで、今は冷たい風が頬を刺す。
昼間の明るい時間は、子供達が沢山いて、元気な声が溢れているこの場所も、暗くなると人気がなくなる。
街灯がひとつだけ立っているだけの暗い公園は、一人でいるには、なんだか途方もなく寂しい。
「あ〜ちゃんは太陽」
あたしがよく言われる台詞。
仮にあたしが太陽だとしたならば、日が落ちて暗くどんよりとしてしまったら、周りに居てくれてる人達は、みんな離れていってしまうんだろうか。
太陽の様に、明るく輝いていられなくなったならば、この公園の様に、誰も寄り付かなくなるんだろうか。
まるで用済みになってしまったかの様に。
そんなのは、あまりに寂しい。
それとも、あなたはこの街灯の様に、最後まであたしに明かりを灯してくれる?
のっちは、あたしのことを好きだったはず。
好きだった時期が、あったはず。
あなたは分かり易いところがあるから、多分間違いじゃないと思う。
計算なんてできない子だから。
駆け引きなんてできない子だから。
いつだって真っ直ぐな子だから。
あなたの好意は、真っ直ぐにあたしに向けられてた。
きっとあなたは、自分に嘘なんてつかないんだろうな。
自分に嘘なんて、つけないんだろうな。
あたしがのっちのことを意識し始めたのは、いつ頃だっただろう。
つい最近な気もするし、でもずっと昔から、恋をしていた気もする。
どうせなら、いっそその時に、あたしを捕まえてしまって欲しかった。
もしそうだったなら、どんなに幸せだっただろう。
どんなに素敵な毎日を過ごしていたんだろう。
まったく肝心なところで、ヘタレなんだから。
今のあたしにとっては、もう手に入らない未来を想像することは、ただ泣けてしまうことでしかない。
切なくて、苦しくて。
後悔だなんて、そんな言葉じゃ言い表せない。
ちょっとだけ何か違ってれば、きっとあたしはのっちのとなりにいた。
のっちのとなりにいれた。
のっちに抱き締められたら、どんな気持ちになるんだろう。
また頬を、冷たい涙が伝う。
こんな思考が始まってしまったら、あたしはただ泣くしかない。
涙腺なんて、もうとっくに崩壊してる。
のっちに、抱き締めてもらいたかった。
のっちに、キスしてもらいたかった。
子供の様に声を出して泣いた。
誰も居ない公園で、自分の膝を抱え、泣いた。
のっちに、傍にいてほしかった。
ただ、あの優しい笑顔を、一番近い場所で見せてくれるだけでも良かった。
どうして、こうなっちゃったんだろう。
どうして、自分の気持ちを隠してしまったんだろう。
きっと、ホンの少しの勇気があれば、あたしの思い描いていた未来は手に入っていた。
あたしは自らそれを手放してしまったんだ。
なんてことしちゃったんだろう。
どうしてがむしゃらにでも、手に入れようとしなかったんだろう。
あたしには、他に欲しいものなんて何もないのに。
泣いて泣いて、それでも涙は止まらなくて。
ワンピースの裾が、涙でぐしゃぐしゃに濡れて。
それでも涙は止まってくれなくて。
もういっそ、この場所で時間を止めてもらいたい。
あの夜、ゆかちゃんの相談になんて、のらなきゃ良かったんだ。
いや、違う。
あの時にあたしも、素直に気持ちを打ち明ければ良かったんだ。
こんな事は言いたくないけど、あの時点では、あたしに分があったのに。
最終更新:2009年05月25日 21:38