アットウィキロゴ
−n−


「・・・ねぇ?」
「・・・別れよ」
「しんどくなっちゃった・・・だから、、、、」




「わかった」




さー・・・さー・・・・

トントン・・トントン・・・


さー・・・さー・・・・・・


トントン・・・


窓を叩く、雨音ので目が覚める。



はぁ・・・


これで、何度目?


あたしは、あと何度

愛しい彼女に振られたらいいのだろう・・?



頭の上、時計に目をやる。



やっば!


もっさんが迎えにくるまで、もう1時間もない。



準備しなきゃ!とは思ったものの

カラダはうまく動いてくれない。


ま、いつもこんな感じ、か?


いつもぎりぎり。



けど、彼女と付き合ってたときは

違ったなぁ・・・


離れて過ごした朝には、必ずモーニングコールをくれた。


一緒に過ごした朝には、甘い甘い声と共にたたき起こされた。


眠いなぁ。。。

なんて思いながら、嬉しくて

幸せで・・・


苦手な朝でも、カラダは軽かった。


窓の外は、どんより曇り空。


雨は激しさを増す一方。



はぁ・・・


なんで、こんなことになったのかなぁ・・・



「わかった」


一体、なにが“わかった”、、んだか・・・・


あの日の、彼女からの

別れの言葉。


ゲーム画面に向かいながらも


内容なんて全く頭に入ってこなくって


部屋には機会音が空しく響いて


頭ん中は、遠くの雨音がうるさかった。


ねぇ、、、なにがいけなかったのかな?



冗談なんかじゃない


一世一代の告白。

ずっと一緒にいた親友。
ずっと一緒にいた仲間。



全てを失う覚悟はとっくにできていた。


うまくいくなんて、微塵も思ってなかったよ?


なのに・・・


そのとき、とても順調に付き合っていた彼と

別れて、のっちを選んでくれた。


嬉しかった。

信じられなかった。



彼女が

ゆかちゃんが


のっちを選んでくれた。



ゆかちゃんのためだったら

なんだってやった。


    • んーん。

“ため”、だなんて
そんな恩着せがましいものじゃなく



それはほんと、自然なことで
自分にとっては、とても必然なこと、、で。


なにもかもが

当たり前だった。



一見すれば、ワガママな言動も


いちいち、かわいくって

ただただ、愛しかったんだ。



だって、ゆかちゃんがのっちの傍にいる。


これ以上の奇跡がどこにある?


それ以上、なにを望む?


突然の、別れの言葉。

いや


突然なんかじゃなかった。

どっかで気付いてた。

ゆかちゃんの、変化。


けど、なんでかって

それが、


全然わかんなくって。


ずっと正直に向かい合っていたつもりだった

いつも素直にいたつもりだった。




最後のあの瞬間を除いては。


「わかった」・・・て。


なんも、わかってなんかいなかった。


ほんとは

ヤだ、別れたくない!


そう叫びたかった。


ずっと、正直でおったはずなのに・・・


なんで


あの瞬間だけ


自分を偽った?


本心を見せていれば

きっと


彼女を引き止められた、、、、はず。



頬を流れる、生暖かい、それ。


たぶん


好きすぎて


どうにかなっていたんだ。


あれから、数ヶ月


一人の生活にも慣れた。

慣れた?・・いや


ただ、彼女と付き合う前


単に自分の生活に戻っただけ。


むかつくほどに


一人でも平気、だ。


でもね、やっぱ


ふと、寂しくなるよ。

特に

こんな雨の日、は。



それでもね

誰か、といたいなんて思ったことない。


ゆかちゃんじゃなきゃ、ダメだ。

ゆかちゃんじゃなきゃ、意味がない。


他の誰かといるくらいなら



いっそ一人のほうが、

ずっと、まし。


はぁ・・・空しい。



戻っただけ、、、なんて


戻れるわけないじゃん。


ゆかちゃんの熱を知ってしまったのに


知らなかったころになんて


戻れるわけがない。


さー・・・さー・・・・

トントン・・トントン・・・


ざー・・・ざー・・・ざー・・・



勢いを増す雨音。


頬を流れ続ける、涙。



あの日から抜け出せず


ずっとループし続ける思考。


ざー・・・ざー・・・ざー・・・



一人が苦手な、彼女。


今ごろ、どうしてるのかな?



雨は止みそうにない。


あ・・



彼女も



泣いている。


ぎゅっと

胸元にある

“揃い”のリングを握り締めた。








最終更新:2009年05月25日 22:11