今日は学園祭初日。
待ちに待った学祭。
今日は軽音の練習はないから、のっちと一緒に回ろうっと。
あ〜、楽しみ楽しみ。
楽しみすぎていつもより早く学校に着いちゃった。
でもやっぱり学祭初日だけあって、みんなも早めの登校。
「あ〜ちゃん!!」
同じクラスの子に呼ばれた。
「おー。おはよう」
あたしは普段どおりの挨拶。
「おはよう・・・。あ〜ちゃんさー、最近付き合い悪くない?」
「え?」
「だって・・・うちらと、しょっちゅうつるまなくなったじゃん?のっちとばっかりいるじゃん・・・」
「・・・」
「うちらがのっちと遊びたいって言ってるのに、未だに予定すら立ててくれてないでしょ・・・」
「あっ・・・ごめん。そのうち、ちゃんと決めるけぇ・・・」
「あ〜ちゃん、前もそう言ってたよ」
「・・・ごめん」
「あんまり、のっちとばっかりいると・・・あ〜ちゃん、クラスで孤立するかもよ?」
「え・・・」
「まー、、、それは言いすぎかもしれないけどwちょっと気をつけた方がいいかもね」
目の前が真っ暗になった。
胸騒ぎを感じた。
ヤバイ・・・のっちに夢中になってて、友達付き合いを疎かにしてしまってた。
そんな事言われたら、今日のっちと一緒に学祭回れなくなっちゃったじゃん。
のっちを独り占めしたいけど、友達にはハブられたくない。
どうしよ・・・。
どうすればいいの?
のっちはそんなあたしの気持ちを知らないで、ニコニコと尻尾を振って寄ってくる。
「あ〜ちゃん!!おはよう」
のっちがあたしを呼ぶたびに、みんなの視線が痛い。
「お、おはよ・・・」
のっちじゃないのに動揺して噛んじゃった。
「あはは。珍しいね、あ〜ちゃんが噛むの」
ケロケロした声で笑うのっち。
のっち、ごめんね。
のっちの為にサイコウの学祭にしてあげるって言ったけど、その約束守れそうにないかも・・・。
だって、のっちとは一緒に回れない。
あたしは弱いから。
友達に嫌われたくないの。
あたしは弱いから。
クラスで孤立したくないの。
本当は一緒に回りたいけど回れないの。
「へー、のっち今日一日遊べないんだ・・・」
「うん・・・勝手に決められちゃった」
教室に戻ったら、のっちがすごく凹んでた。
どうやら、一日クレープ売りをやらなくちゃいけなくなったらしい。
正直、半分ホッとした。
これでクラスで孤立しなくて済むから。
「うー・・・今日、あ〜ちゃんと一緒に色々見たかったんだけど・・・」
のっちの口から、とっても真っ直ぐな言葉が出てきた。
それが嬉しかった。
のっちもあたしと同じ事思ってくれてたのが嬉しかった。
でもあたしは周りの目を気にして素っ気無い態度を取ってしまった。
「そうなの?あ〜ちゃん、軽音の子達と一緒に回ろうと思っとったんじゃけど・・・」
「そ、そうだよね・・・あ〜ちゃん友達いっぱいいるもんね」
のっちは、ハノ字眉になってる。
のっちと喋ってると、周りの目が怖い。
「じゃ・・・あ〜ちゃん行くね」
「うん・・・」
あたしはそれに耐えられなくなって、教室から逃げた。
部室に行くと、みんな不思議そうな顔をしてる。
「あれ?あ〜ちゃん、どうしたの?のっちと回るんじゃなかったの?」
「あー、、、それがのっちクレープ係りになっちゃったらしくて・・・」
「そうなんだ・・・。だったら一緒に回る?」
「うん。ありがとう」
軽音の子たちは、クラスの子たちとは違って、あたしに優しい。
あたしたちは駄菓子屋をやってるクラスにいった。
そこにはのっちがいた。
一緒にいるのは、同じクラスの木村さんだった。
二人ともすごく楽しそう。
あたし以外といて、あんなに楽しそうなのっちを見たのは初めて。
自分からのっちに離れたのに、なんだろ・・・。
すごく寂しいよ。
ふと、のっちと目が合った。
思いっきり逸らされた。
ショックだった。
のっち・・・目を逸らされて、悲しかったよ。でもそれはあなたのせいじゃないから。
最終更新:2009年05月25日 22:39