のっちの唇は暖かい。
それに、キスしたらそこから溶けてしまいそうに甘い。
よく、子犬みたいにパタパタしっぽを振って懐いてくる。
それが愛おしくもあり、うとましくもある。
ずっと恋い焦がれて欲しかった温もりは、
手に入れてみたら案外あたしには熱すぎたみたい。
すぐ冷める悪い癖はのっちが相手でも例外じゃないの……??
携帯を片時も離せないのは何故?
のっちが不安がってる。
のっち以外にあたしの興味が行ってる事で不満に思ってる。
それがわかるのにあたしは依然態度を変えられない。
どうしよう…。
このままじゃ壊れてしまう。
掻き消すために彼女を抱く。
今日も彼女を乱すあたしの指先。
携帯に触れるのとはまったく違う強さでのっちに触れてやれば、
欲にまみれた表情であたしを見て来る。
もっと、もっと。
そう言われてるみたいなその快楽に悶えるだらし無い顔は、あたし以外には見せないもの。
なのになぜ?
胸が高鳴らない。
独占出来る事の喜びはいつの間にか消え去り、
惰性の行為を今日も彼女に施しているあたし。
このままじゃダメになる。
K『のっちさぁ、その合コン行かないならゆかが行っていい?』
N『え?』
大きな瞳が不安で揺れてる。
K『ね?』
N『……。』
何も言えないで黙ってる。
K『あたしはのっちに寛大だったんだし、いいじゃ〜ん。』
N『……嫌だけど、いいよ。』
本当に嫌そうな顔してる彼女に罪悪感すら湧かない末期なあたし。
貴女はあたしを綺麗だと言ったけど、
あたしは貴女が思ってるほど綺麗なんかじゃないんだよ?
(続く)
最終更新:2009年05月25日 22:47