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「…ごめんね。あ〜ちゃん」

「………なんであやまるん?」

「わかんない…」



ゆかちゃんは、のっちが好き。
言葉にしてみれば、単純だし、そうなる理由だって、簡単だ。


あたしだってのっちに恋をした。


同じ時間を過ごして、同じ景色をみて、同じことで泣いて、同じことで笑う。


同じことで悩んで、同じことで苦しんで、同じ壁を乗り越えてきた。


そんなあたしがのっちを好きになったんだ、ゆかちゃんも同じ様にのっちを好きになっても、なにもおかしいことはない。


あたし達は三人なんだから。


でも、全然気付かなかった。
気付かなかったことに、腹がたった。

あたしは二人のことはなんでもお見通しだと思われてるし、実際大体のことは分かってるつもりだったのに…
こんな爆弾みたいなゆかちゃんの思いに気付かなかったなんて…


でもゆかちゃんはあたしの気持ちに、なんとなく気付いてたのかな?

だからさっき、聞いてきたんだろうな。

確信はなくても、そう思うなにかには、気付いたんだろう。



どう思えばいいの?


気持ちをあたしにすら隠せていたゆかちゃんより
ゆかちゃんには隠し切れないなにかに気付かれてしまったあたしの方が


のっちの事を想ってるの?


それとも


つまらないことばかり考えて自分の気持ちを押し殺しているあたしより
抑え切れずに気持ちが溢れて、我慢なんてできなくなってしまったゆかちゃんの方が


のっちの事を想ってるの?


でも一つだけ分かってることがある。



「だからね。ゆかはあ〜ちゃんに相談したの。Perfumeはゆかにとって、自分自身なんかより大切だから」


じゃあ、保身にまわろうとしているあたしはなに?


「そんなんは、Perfumeがダメになる。って、あ〜ちゃんに言われるならまだ引き返せる」


うそつき。
涙浮かべて声を震わせて。
よく言うよ。
あなたは普段、絶対にそんな姿は見せないじゃない。


「そうじゃなくても、あ〜ちゃんものっちのこと好きなら、ゆかは引くし、ゆかの気持ちはちゃんと冷める」


そうする様に、してきたもんね。
でも、もう無理だよきっと。もちろん、お互い。

昔はあんなに簡単なことだったのに、今はこんなに重くなるのはなぜ?


あたしたちが、大人になったから?
いつの間にか、あたしたちは大人になったの?


「でも、なんの気負いもなくなったならば、ゆかはきっと暴走する」


さっきから黙ってるあたしを、あなたはどう思ってるの?


最低だよ。

あなたが真剣に胸のうちを明かしてくれてるのに。


あたしの思考はさっきから、どうこの『問題』を切り抜けようか考えてる。



「でもそうなったら、あ〜ちゃんの協力は不可欠になる」


そりゃそうだね。
あたしだって同じことを、何万回考えてきたか分からない。


そもそも、そんな長い前置きはいらないんだよ。


「ねぇ、だからちゃんと教えて。答えて」


ひとつだけ。
あたしにはひとつだけ分かってることがある。


「あ〜ちゃんは…」


ゆかちゃんとあたし。
この二人の想いは…



「のっちが好きなの?」



危険だ…








最終更新:2009年05月30日 22:33