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先生と、、、もとい

ゆかちゃんと再会して
もうすぐ1年だ。


ゆかちゃんは、やっぱり先生をやっていて

のっちはっていうと

バイトをいくつか、かけもちしながら
ダンスなんかしたり、してる。

先生と離れて過ごした、高3の夏休み。
ニューヨークはエンターテイメントに溢れていて
その中でも、のっちはダンスに夢中になった。

それで、高校卒業してから本格的に始めたわけ、だ。


生活時間がばらばらだから
会う時間を確保するのは少々困難だけど

それでも、うまくいっている。


だらしない生活を、注意されたり

メールの返事が遅いと、怒られたり

ダンスを見に来てくれたお客さんに
少しは愛想良くしたら?と諭されたと思ったら

差し入れてくれたプレゼントを受け取って、拗ねられたり


いろいろあるけど

それでもやっぱ、毎日が楽しい。



今日は、久しぶりにゆかちゃんとこに
お邪魔する日、だ。


ピンポーン


はーい


ガチャリ


「いらっしゃい」

「お邪魔します」

自然とほころぶ頬。


「なに、にやにやしてるの?」

「ゆかちゃんに会えたから?
 てか、せめて“にこにこ”て言ってくれないかなぁ」

「はいはい。バイトお疲れ様」

そう言って、そそくさと室内へ入っていく
ゆかちゃんの頬も緩んでる気がするのは
のっちの思い上がりじゃない、、よね?


あとに続いて、室内へ。


「あ、はい。これ、差し入れ」
「ありがとう。て、これ、
あそこのアイスじゃん!どうしたの?」
「うん、そう。食べたいって言ってたから。
 ちょうど、今日そっち方面に出かけてたから」
「でも、いつも行列だよね、あそこ?」
「うん。今日もすごかった」
「・・・並ぶのキライな、くせに」
「ん?まぁ・・でも、ゆかちゃん喜ぶかなぁて思ったら
 そんなの気にならんかったし」
「ありがと…」


手に持った、アイスの袋を見つめてたかと思うと
ふと視線をあげ、上目遣いで


「のっちのそういうところ、むかつくけど、、大好き」

    • えっ、なんで、むかつくの・・・?

でも、耳まで真っ赤になった顔を見る限り
嫌がってるわけでもなさそうだ。


てか

「今日、卒業式だったんだよね?お疲れ様」
「うん。ありがと」

「あぁ・・・ほんとは、見に行きたかったんだよねぇ」
「えぇ、なに言ってんの?w」
「父兄参加、で?」
「意味わからんしw父兄、じゃないじゃん
 てか、ゆかの卒業式じゃないし!」


だってさぁ


「実は、、、先生のこと好きでした、、、みたいの。
 あったら困るから、、、阻止しにいかなきゃなぁ。。て?」

「なに言ってんの?w
 あぁ、、、でも、第2ボタンもらったや」


はい?



「・・・それって、、、ゆかちゃんのことが、、、好き、なんじゃないの?」

「まさかwだって、生徒、だよ?」


いやいや・・・


「 “樫野先生?”、、それって、もと“生徒”の、
のっちには、説得力ないんです、、、けど?」


「あぁ・・」


あぁ。。って・・・・


「のっちは、、、、ゆかにとって
 最初から、生徒、じゃなかったから・・」


え・・・?


「ゆかにとって、、、のっちは最初から“トクベツ”だったから・・


わっ、、、それ反則!!

上目遣い、で
視線を捕らえられる。


何も答えれられないでいると


「ヤキモチ?」

小首をかしげ
意地悪な笑み。


んー・・・かなわない。



ピンポーン。


ん?こんな時間にお客さん?


「あ、、ちょっと、見てくるね」

そう言って、玄関に向かう彼女。



ガチャ


「先生っ!すみません!・・・
 うちまで、押しかけて・・・」


えっ・・


「あ、、うん・・・」


ゆかちゃんが戸惑ってるのが

見えないここからでも、わかる。





「あの、、、、、


あの?


「ボタン、、渡しただけで、、、納得する、、つもりだったんですけど・・



ボタン・・・?・・・・あぁ。。。ボタン、、か・・・

なんていう、タイミング・・・



「僕、、、ずっと、、先生のこと——


うわっ、、、聞きたくない


そう思った瞬間、、



「ごめん・・・


ゆかちゃんの、声。


「今、、、、恋人、が来てるんだ・・」





「あ・・・すみません」


「うん、ごめんね」

 「それと、、、これ、、、やっぱ返す、ね…」



そう呟いた、ゆかちゃん。


見えないけれど


どんな表情なのかは、想像がついた。



「先生に出会えて、よかったです」


ガチャ


そう言って、彼は去っていった。


ゆかちゃんが、戻ってくる。





「だから、言ったじゃん…」


「うん、、、ごめん」



すっと、細く長い腕が伸びてきて

ぎゅっと、抱きしめられる。




「ごめん、ね?」


いろいろ、言いたいことはあった。

けど

「ボタンも、、、ちゃんと返した、、、よ?」


ゆかちゃんに抱きしめられると、そんなこと

どうでもよくなってしまう。


ヒラヒラ、ヒラヒラ、、、


相変わらず


のっちは、先生の

手のひらの上。



「・・・先生?あんま、気をもたせるようなこと、しないで?」


「・・うん・・・」





わかってないんだろなぁ・・


自分の小悪魔っぷり。



そう思いつつ


ぎゅっと、抱きしめる。


風に攫われて、どっかにいってしまわないように。。。





 ふふっ・・


彼女が笑う。


ん?


腕の中の彼女を見つめる。



「“先生”、、、て、なんかドキドキするね」


ん?


ゆっくりと近づく、唇。


混ざる、互いの温度。


目の前には、挑発的な

愛しい彼女。


「ねぇ?・・・今夜はずっと、、、“先生”って呼んで…?」


「・・・ヤじゃないの?」


“先生”て呼ばれると、なんかヤだって言ってたじゃん?



「んー・・・たまにはいいんじゃない?
 そのほうが、、、、刺激的、だから」


にこっと、小悪魔の笑みを一つ。


あぁ、、、やっぱ、かなわん。


再び、混じりあう体温。


絡み合う欲望。



んー・・


のっちも、また

とんでもない人に、惚れてしまったようだ・・



ま、それも、アリ、、、としよう。


さてさて、もう1回


「キス、してもいいですか?」

「ダメ、、、」


いつかの、記憶がフラッシュバック。



「でも・・

「「先生が、してあげる・・・」」



やっぱ


あの頃から変わらず


主導権は、あなた。

そして

のっちは

きっとこの先も


あなたに、夢中。







最終更新:2009年05月30日 22:39