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長い、長い、ゆかの片思い

正面からのっちを見つめるには隠した気持ちが後ろめたくて。
いっそ伝わってしまう事を願った。でもそれが何を意味するのかも分かってたんよ。

『…12位はやぎ座のあなた!』

「……また12位…」

ちょっと前から恒例になった朝の占い
思わずテレビのリモコンを放った


あの時、止めたはずの時間はいつの間にか流れ出しとる。


「なんか、月低くなーい?…オレンジ色だし」

二人だけの帰り道
のっちの間延びした声が夜の静かな道に響く

「…これオレンジって言うん?」

言う言うー!と突然、笑い出すのっちを見つめた

…こんな風にずっと二人で歩けたら。

幸せかな

残酷かも

言えん気持ちが歩くごとに重たくなって、
伝えたい衝動が歩くごとに大きくなって。

「かっしー!ブランコあるよっ!」

「ん。」

ゆかの切ない心はまた一つ大きくなりながら転がる


のっちがブランコに勢いよく駆け寄った
薄暗い公園に綺麗なシルエットが揺れる

「…のっち」

「なーん?」

「あ~ちゃんに好きって言う時こわかった?」

唐突なあたしの問いに、ええー?って笑いながらのっちはブランコをから飛び降りた

「怖くなかった。」

「え?」

予想外の答えに振り返った

「なんでじゃろ…気がついたら言っとった」

…のっちは正直なんだ

拙いけれど必死に言葉を尽くして、思いを伝えて、あっという間に行ってしまった

ゆかが思ってばかりいるけぇ、どうしたって届かない所まで。


何とか説明しようとするのっちの横顔を見つめる


気付いてたんよ。
どんなに考え続けたって答えなんか無いって事。もう思ってばかりじゃおれん。

のっちがすき。
本当にそれだけ。

どんなにカッコ悪くても、振られるのがわかっとっても、ゆかは何も持っとらんけぇ。
大好きな人に渡せるものなんて、もうこの気持ちひとつしかないんよ。


「のっち…ゆかはのっちが好きよ」

「え…?」

溢れた言葉が時間を止める
なんて身軽だろ。


ちゃんと見れるん?
自分に聞いてみる


出来るよ


ありがと…とだけ呟く、のっちのこと
ちゃんと真っ正面から見つめた



end






最終更新:2008年10月10日 22:13