偽善?
キレイゴト?
知らないよそんなの。
どう思われたっていい。
でも少なくても、あたしにはそういうつもりはない。
今まで沢山苦労してきて…
沢山の人に迷惑かけて…
三人でいくつもの壁を乗り越えて…
いつしか沢山の人に支えられて…
そして今、あたし達は夢を現実にした。
許されないのよ。
自分勝手でその全てを壊してしまうのは。
偽善?
キレイゴト?
それでも、本心だよ。
もちろん、それも本心。
だけど、目の前で瞳に沢山の光を溜めて。
真っ直ぐにあたしを見つめる彼女を、あたしは自分勝手だと思うの?
思わない。
そんなの、思えない。
だって彼女は今、一番美しくて素敵な、素晴らしい想いを爆発させてる。
あたしと同じ様な葛藤も、あったんだろう。
さっきからの話を聞いてれば、そんなことは分かる。
違う。
聞かなくたって分かる。
だから、困る。
分かってしまうから…
ゆかちゃんの気持ち。
用意もしてなければ、覚悟もしていない。
あたしが先だったか、ゆかちゃんが先だったか。
それだけの事だ。
仮にあたしが先だったら、ゆかちゃんがどうするかなんて、もちろん承知だよ?
こんな一瞬で選択を迫られるなんて、思ってなかったけど…
こうなってしまった以上、あたしが選ぶ道はひとつ。
折角手に入れた、三人の心地好い場所を失う訳にはいかない。
バランスを、保ち続けるのが、先を許したあたしの仕事。
きっとどっちの気持ちが先に溢れてしまったとしても、あたし達はPerfumeを選ぶ。
ねぇ、そうでしょ?
本当は、胸のうちに留めておいて欲しかったけど、今のゆかちゃんに文句を言おうとは微塵も思わない。
「…あ〜ちゃん?」
痺れを切らしたゆかちゃんが、あたしに返事を促す。
答えよう。
楽しい毎日が無くなる訳じゃない。
明日も、夢の様な舞台が用意されてる。
離れ離れになる訳じゃない。
これからもずっと三人で過ごして行く。
嫌らしい話、青春すら犠牲にして、あたし達が死ぬ気で辿り着いたこの場所は、お金になる限りは失われない。
今までとなにも変わらないじゃない。
「違うよ、ゆかちゃん。勘違いしてる」
「…じゃあ」
「うん。違う。あたしが好きなのは…」
笑顔でいるつもりだけど、多分うまく笑えてない。
(本当にそれでいいの?)
いいの!仕方ないの。
そうやって納得するしかないじゃない。
笑えてなくたっていいんだ。
どうせ見えないんだから。
「好きなのは?」
嬉しそうだね。
さっきまでの声色が嘘みたいだね。
「うん。あ〜ちゃんが好きなのは…」
さぁ、うまくやらなきゃ。
「………のっちじゃない」
大丈夫。なにも変わらない。
(変わらないわけ、ないじゃない……)
いいの。
変わってしまっても、変わらないんだから…
そうするって、もう決めたんだから。
だから、いいの…
最終更新:2009年05月30日 23:08