sideN
ゆかちゃんは察しが良いから、きっと今の状況が何を示しているのかぐらい知っているはず。
触れた唇が相変わらず柔らかい。
「のっち?」
「何?」
「甘い、、、」
ゆかちゃんは親指で私の唇を拭った。
「…飴舐めとったから」
「何味?」
「オレンジ」
「そっか…」
もう一度近づいたゆかちゃんの唇。少し開いたかと思ったら舌で私のそれを舐められた。
「!」
一瞬、時は止まって、息さえ出来なかった。
「んー…味せんね」
当たり前だよ…。
舐めたの三時間も前だもん。
でも、もう一度して欲しくて…
「嘘よ…」
「本当よ」
「もっかい試してみてよ」
なんて、言ってみる。
深く、深くなるキスに、いつの間にか私は私じゃなくなる気がした。
「んっ、、、飴ってサ○マドロップ?」
「はぁ、、、そう」
「ゆかにもちょーだい」
「後でね」
「後でって…なんの後?」
「知っとるくせに」
「ふふっ」
ねぇ…嫌なら、嫌って言って?
安易に君を傷つけてしまう前に。
side K
正直、驚いた。
でも、拒んじゃ駄目だって思った。
「ゆかちゃん、」
呼ぶ声は、徐々にか細くなって…。
「あっ!んっ」
触れる手は震えてた。
どこか必死で、
どこか寂しげなのっちを引き離す事なんて出来ない。
ねぇ…何かあるなら話してよ
安易に貴方を傷つけてしまう前に。
「渡さん…」
泣きそうに呟いて、貴方は、私をきつく抱きしめた。
最終更新:2009年05月30日 23:34