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サイドN


『ねぇ?意味、ないよね?』
唇に落とされた柔らかい感触がなくなったと同時に、
心地よかった暗い宇宙の闇から
光の差す現実に戻された。


私たちは一度離れ、
きしむベッドの上、
向かい合って座った。
二人して膝を抱えて。
かしゆかが目をそらすから、
私もそらした。
だけど会話はそのまま進んでいく。
『曖昧』な言葉たちの独り歩き。
それは私の口からも。


『・・・意味?』
『うん。意味』
『・・・何が?』
『・・・・・今の、キス』
『意味がないならキスじゃない』
『・・・うん。そうだね』


サイドK


“じゃあ一体、私とのっちの今の行為は何だったの?”
思ったけど、
そんなこと聞いても無駄だからやめた。
だって“意味がない”って言ったのは自分。ゆかだ。


『ねぇ、、』
『うん?』
だけど多分、意味、あるのよ。
それは私だけかもしれないけど。


『意味ないことして、怒らないの?』
『だって意味がないなら、無害じゃん』


卑怯者!
いくじなし!
私と、、一緒ね。



『そうだね。』
『そうだよ。』
酔ってんの?ならそのままずっと酔ってて。


『じゃあさ?』
『なに?』
酔ったふり?ならそのまま演じてて。



『抱かせてよ。』



私はずるいから、
私はずるいからね?
あなたの唇から洩れて伝わるお酒の匂いに誘われて、
どうにもこうにも止まらないのよ。
感情が、感情が渦。
ドロドロしてて
救いようがない。


願わくば
あなたにきれいに浄化してほしい。


『いいよ。』



つづく






最終更新:2009年05月30日 23:53