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学園祭も終わり、気付いたらもう冬休みも最終日。

「お姉ちゃん、お父さんがリビングに来いだって」
「え〜、なんなん?今、マニキュアしとるんじゃけど・・・」
「わからんけど、家族会議らしいよww」
「家族会議?」

あたしはまだ左手しか塗ってないマニキュアを乾かしながらリビングに向かった。
リビングのテーブルには妙に神妙な顔の両親が座っていた。
妹と弟もすでに座っている。
あたしも自分の席に座る。

「なに?家族会議って?」
「ああ・・・うん・・・」
お父さんは言葉を詰まらせてる。
「もしかして・・・リストラ?」
妹が冗談っぽく訊く。

「嘘!?そうなん?」
「いや・・・その逆、かな?」
「逆って、ことは昇進?すごいじゃん!お父さん」
「うん・・・。でもね、出勤地が変わるんだ」
「えっ?どこになるん?」
あたしは小さな胸騒ぎを感じた。

「海外・・・」
「マジで!?」
「それって、うちらも付いて行かなきゃダメなん?」
弟があたしの訊きたかった事を代弁してくれた。

「そうね・・・。まだあなたたちだけを残すのはお母さん不安だもの」
「えっ、てことは・・・転校することになるの?」
今度は妹が代弁してくれた。

「そうなるわね・・・」
「いつ?」
最後は自分で訊いた。


「春になったら」
「じゃあ、今の学校はあと3ヶ月で終わりになっちゃうん?」
「そうだね・・・」
「嫌だよ!!あ〜ちゃん、海外なんて・・・そんな異国になんて行きたくないけぇ!!今の学校で卒業したい!!」
転校なんて・・・嫌だよ。
だって、のっちと離れちゃうじゃん。
のっちと会えなくなるじゃん。
折角、のっちはもう転校はしないって言ってたのに・・・。
あたしが転校しちゃったら意味なくなっちゃうじゃん。

「あ〜ちゃんだけでも、日本に残りたい!!自分で生活できるよ」
「ダメだ!!娘を一人置いて海外なんて行けるか!!家族は一緒に暮らすもんだ!!」
「嫌だ!!お父さんひとりで行けばいいじゃろ!!」
あたしは長女なのに、一番駄々をこねた。

「あ〜ちゃん!!これは決まったことなんよ!!」
お母さんにピシャっと言われてしまった。
「うぅ・・・」
あたしは悔しくて泣きそうになり自分の部屋に閉じこもった。

「うっ、うぅ・・・転校なんて、嫌じゃ・・・」
「のっちと、、別れるなんて、うぅぅ・・・嫌じゃ・・・」
あたしは枕に顔を押し付けて夜通し泣いた。
転校するって事実があまりにもショックであたしは熱を出してしまった。
熱を出したあたしを心配してのっちがお見舞いに来てくれた。

起きたら部屋にのっちがちょこんと座ってたから、すごい驚いた。
会いに来てくれたのはすごく嬉しいけど、寝顔とスッピンを見られたのは恥ずかしかった。

「あっ・・・じゃあ、帰るね」
って、言うから・・・
「えっ?もう、帰っちゃうの?」
って、答えるしかないじゃない。

のっちと一緒にゆかちゃんに貰ったみかんを食べた。
それはとても甘くて少し酸っぱかった。

それはまるで、のっちみたい。
あたしの心を甘くしたり、酸っぱくしたりする。
のっちに会わなければ、あたしはあんなに駄々をこねたり泣いたりしなかったと思うの。
すんなり、転校するって現実を受け止めたと思うの。

のっち・・・あたしはあなたとずっと一緒にいられると思ってたの。それは結局無理だったね。





最終更新:2009年06月17日 10:54